メキシコ北部クアウテモックの住宅街で2月7日、渡り鳥の大群が空から一斉に落下し、100羽以上が大量死するという奇妙な現象が起こった。まるで黒い雨が降り注ぐかのように落下する鳥たちの様子を監視カメラが捉えており、落下原因をめぐって「電波だ」「毒ガスだ」など様々な憶測を呼んでいる。『The Guardian』『CNN International』などが伝えた。
カナダから越冬のためメキシコに南下していたキガシラムクドリモドキ(Yellow-headed blackbird)が今月7日、メキシコ北部クアモテモックの住宅街で一斉に地面へと落下し、大量死しているのが発見された。
住宅街に設置された監視カメラがその一部始終を記録しており、動画がSNSに拡散されて大きな注目を集めている。
映像は閑静な住宅街を捉えたもので、左手前にクリーム色の壁をした家が、右側には人通りのない道路が映っている。時刻は午後7時42分、すると突然画面の中央にキガシラムクドリモドキの群れが現れ、まるで黒い土砂降りが降り注ぐように地面へと一斉に落下したのだ。
住宅の屋根や道路へと勢いよく落下したキガシラムクドリモドキたちはほとんどが空へと戻っていったものの、100羽以上の個体は地面にて息絶えていたそうだ。
この監視カメラの映像が公開されると、落下原因をめぐってSNS上では次のような憶測が飛び交った。
「5Gの電波が原因じゃないかな?」
「電線に触れてしまったのだろう」
「薪ストーブの煙や農薬が有害だったのでは」
「エイリアンの仕業だよ」
地元メディア『El Heraldo de Chihuahua』によれば、獣医師から「この地域で使用されている薪ストーブの煙や農薬、寒さなどが原因」と指摘されたという。
一方で、米ワシントン大学で生物学の助教授を務めるカルロス・ボテロさん(Carlos Botero)は「この奇妙で厄介な事件の原因は正直なところ、現時点では誰にも分からない」と前置きしたうえで、