以下のように人々に献血を呼びかけた。
「このドナーの血液型は世界で最も希少なRh null型です」
「この血液型の持ち主は地球上にわずか43人しかおらず、マレーシアではこの女性ただ1人です」
「提供された血液はクアラルンプールの国立血液センターに送られ、窒素を充填した容器に入れて-80℃で最大10年間保管されます。もしこの血液型を必要とする患者が現れた時には、希釈して使用されます」
「あなたは本当に特別な方なのですよ、お姉さん!」
「あなたの血液型が何であれ、あなたは常に誰かの(血液)型です。あなたの血液が他の人の命を救うことができるのです。ぜひ献血をしましょう」
「ちなみにグレイズ・アナトミー(米人気医療ドラマ)のシーズン15を見た人は、Rh null型を知っているはずです」
同献血センターによると、女性は検査にてこの特殊な血液型が特定され、海外の研究所にも確認のためにその血液が送られた。それ以来、この女性は2016年から献血を続けており、現存する「Rh null型」の積極な血液ドナーとしては世界で9人目にあたるという。
世にも珍しい「黄金の血」を献血する女性の姿はSNSを中心に瞬く間に話題を呼び、メディアに取り上げられたことで大きな注目を集めた。しかし人々からの「この女性についてもっと知りたい」という興味と強い要望に反し、女性本人は「身元を隠しておきたい」と強く願っているそうで、血液センターは女性の情報開示について以下のようにFacebookに綴っている。
「彼女はインタビューに応じる準備ができておらず、自分の身元を秘密にすることを希望しています。献血者の情報をお渡しすることはできません」
この希少な血液型は1961年に豪アボリジニの女性から初めて確認された。世界的に不足しているこの血液の補充、また自らの命を救う血液の保存のため「Rh null型」の人々には献血が強く勧められている。
画像は『Derma Darah Terengganu Kite 2021年11月26日付Facebook「The Golden Blood.」、2021年12月5日付Facebook「Selamat pagi buat penderma darah sekalian」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)