その後の2か月間は薬による昏睡状態に置かれた。医師はその間、トーニャさんが呼吸をしやすいように気管を切開してチューブを入れ、1週間に一度のペースで脚、臀部、脇腹などから顔、胸、両腕、背中などに皮膚移植を行った。一方でドナルドさんは自分を責め、病院で寝泊まりをして妻を支えた。
「目覚めたのは2019年の2月で、その後も手術は続きました。初めて火傷後の自分の顔を見た私は自信を失い、『私の人生はこれで終わった』と思うようになりました。慣れ親しんだ顔を失っただけでなく、物を飲み込むことや歩くこともできませんでした。幸いなことに、1年後には気管切開のチューブが外されましたが、今でも以前のように歩くことはできません。そうして事故から2年半、私は人目を避けるように過ごしてきたのです」とトーニャさんは述べており、このように続けた。
「実は手術を18回受けた後、病院側から『コロナ禍でこれ以上手術はできない』と言われました。私が人前に出るにはレーザーによる治療や顔の形成手術がどうしても必要でしたが、あきらめざるを得ませんでした。」
「そんな時です。かつらとネイルをつけ、きれいにメイクを施した自分の動画をSNSに投稿すると大きな反響がありました。特に火傷を負ったサバイバーから『インスパイアされる』『あなたの強さに心を打たれた』『美しい』といったコメントがあがり、『こんな自分でも大好きなメイクで人を勇気づけることができる』と気づいたのです。今では毎日化粧をし、買い物にも出かけます。また化粧のチュートリアル動画の制作も始め、再び人生を楽しめるようになったのです。」
「私は自分の体の傷を誇りに思っています。なぜならそれは、私が生き抜き、勝利した闘いを意味するからです。私と同じようにトラウマを抱えている人たちには、ありのままの自分を受け入れ、愛し、前向きに生きることこそ大切だと伝えたいのです。そして彼らが再び自信を取り戻すことができるよう、手助けできればと思っています。」
なおこのニュースには「魂が美しい人」「化粧をしていなくても、あなたは十分美しい」「とても素敵な夫。彼女が立ち直れたのは彼の強さもあったと思う」「彼女が自信を取り戻すことができて良かった」「顔の火傷なんて、想像を絶するほどつらい経験をしたと思う。これから素敵な人生を歩んで欲しい」といったコメントがあがっている。
画像は『Tonya Renee Meisenbach 2021年11月6日付Instagram「I feel honored to be featured on @hashtagourstories today!」、2021年10月14日付Instagram「Pain」、2021年8月27日付Instagram「@sensationnel_hair」、2021年9月25日付Instagram「Digging the wig today!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)