にこにこしながらすまなそうに頭を掻いた。ちなみに国際宇宙ステーションには空気が満たされているため、ウクレレを弾けば地上と同じく音は聞こえるが、宇宙空間は真空なので音は伝わらないそうだ。
この「無重力ライブ授業」には多数の応募者から選ばれた小学生2人と中学生1人がオンラインで参加した。子供たちが星出宇宙飛行士に質問したのは、気持ちの作り方にまつわるものだった。小学生の男の子が「前向きになれないときどうやって気持ちを切り替えますか?」と聞くと、星出宇宙飛行士は「宇宙ステーションでも思うように計画がはかどらなかったり、時間がかかったりすることがあります」と話してから「そうだな、僕はまず寝ちゃう。そこで一度リセットしてまた翌日またトライする」と具体的な方法を明かした。
そして小学生の女の子が「新しいことにチャレンジする勇気の出し方を教えてください」とお願いすると、星出宇宙飛行士は「いきなり高い山に登るんじゃなくて、まずは小さいことにトライしてみる。それを積み重ねることによって大きな目標につながるんじゃないかな」と述べて、「最初の一歩は小さいんですけど、そこに踏み出す勇気さえあれば、そのうちにものすごいことができるんじゃないかな」とアドバイスした。また中学生男子からの「壁にぶつかったときにどうやって乗り越えましたか?」という質問には、星出宇宙飛行士が宇宙飛行士の試験に3回目で合格したエピソードが披露された。周りにも何回も試験を受けてやっと合格した宇宙飛行士はたくさんいるという星出宇宙飛行士。「壁にぶつかっても好きなことにトライし続ける」という星出宇宙飛行士の体験談は子供たちの心の支えになっただろう。
交信の時間が終わると、上方に向かってふわりと浮かび上がって、お茶目に画面から去った星出宇宙飛行士。「なんてチャーミングな人なんだろう」と笑顔のフワちゃんは「あっという間の時間だったね」と名残惜しそうだ。「宇宙のことは前から大好きだったんだけど、宇宙にいる誰かと直接コミュニケーション取るというのは初めてだったから、すごいワクワクしたし楽しかった!」と興奮さめやらない様子。「星出さんでも失敗や壁にぶち当たったことがあったんだ」と知ったフワちゃんは、「私もこれからも先、どんな大御所の人に怒られても元気良くやっていこうと決めちゃったよ!」と自信満々に宣言していた。
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)