「絶対に子供から目を離してはいけない」―幼い子を持つ親であれば何度も耳にしているだろう。イギリスで2020年、2歳だった女児が散歩中に馬に顔を蹴られたが、それは父親がほんの少し目を離した隙の出来事だった。一時は意識不明になるほどの重傷を負ったが、女児は幾度の手術を乗り越えて順調に回復しているという。『The Sun』『The Mirror』などが伝えている。
2020年5月、英サリー州クレーゲートに住む当時2歳だったマディソン・ルームちゃん(Madison Roome)は父親アリスターさん(Alistair)や兄フィンリー君(Finnley)と家の近くを散歩中に突然、馬に顔を蹴られた。
自宅から数メートル先の道路の手すりにつながれていた馬に蹴られたマディソンちゃんだが、一緒にいた友人たちも含めてその瞬間を目撃した人は誰もいなかったという。
アリスターさんは当時のことをこのように振り返っている。
「フィンリーが転んで膝を出血し、私はそのケアをしていました。そして次に聞こえたのが『マディソンが蹴られた!』と友人が叫ぶ声でした。」
「私は完全にパニックになり、どうしたらいいのか分かりませんでした。でもマディソンの顔を見ると目と口から血が流れ、頭には大きな切り傷があり意識を失って倒れていました。本当に恐ろしい光景でした。」
「次に聞こえたのは『脈が感じられない』という言葉でした。それは999(緊急通報ダイヤル)のオペレーターと話している時です。すべてが一瞬の出来事で、本当にあっという間でした。」
一方で仕事中にマディソンちゃんの事故の連絡を受けた母親のジェニファーさん(Jennifer)は、のちにこう語っている。
「そこに友人たちが一緒にいてくれたことにとても感謝しています。あの日、私は自宅で仕事をしていると電話がかかってきました。それは親であれば誰もが恐れることでした。必要なものを用意するのに必死で家の中を駆け回ったことを覚えています。連絡を受けた5分後にはマディソンのそばにいました。」
「最初に娘の顔の傷と血を見た時はショックを受けましたが、冷静にならなければと思いました。私はマディソンを抱きしめたまま救急隊が来るのを待ちました。あの時、娘が着ていた『アナと雪の女王』のドレスを忘れることはないでしょう。」
しばらくすると「Air Ambulance Kent Surrey Sussex(ケント州・サリー州・サセックス州の救急ヘリコプター)」の救急隊員が到着し、