友人や家族は体外受精に反対していたそうで、当時のことをこのように振り返った。
「家族に体外受精について話をした時は理解してもらえなくてね。結局両親に妊娠していることを打ち明けたのは、11週目に入ってからだった。私のことを全く知らない人には『きっと一夜限りの関係でできちゃった子でしょう』と言われたし、同年代の子には特に『精子を選んでデザイナーベビーを作ったんだろう』などと陰口を叩かれたわ。」
それでもキーラさんは「父は超音波検査の時は私と一緒に病院に来てくれて、本当に嬉しそうだった。妊娠中はずっと私のそばに寄り添ってくれて…。私はそんな父のために出産を1週間早めたの。父がより多くの時間を息子と過ごせるようにね」と語り、「シングルマザーになる決断をしたことを全く後悔していない」と明かした。
実はブライアンさんはずっと息子を欲しがっていたそうで、キーラさんは「父には2人の娘しかいなかったから、これは運命だったと思っているの。6年間もがんと闘ってきた父は8月に亡くなってしまったけど、ノアとは15週間を過ごすことができたのよ」と切ない気持ちを明かし、こう続けた。
「父の死後は本当につらかった。でもノアの存在は私に光をもたらしてくれたの。今思えば、ノアがいたから父の死を乗り越えられたんだと思うわ。」
なおノア君を抱っこするブライアンさんの写真を見ると、痩せて体調が万全でないことが分かるものの、穏やかで平和な時を過ごしていたことが伝わってくる。きっとキーラさんはノア君がもう少し大きくなった時、「これがあなたの誕生を心待ちにし、可愛がってくれたおじいちゃんよ」と話して聞かせるに違いない。
ちなみに昨年5月には、末期のがんの男性が亡くなる2日前に娘との対面を果たした。パートナーの女性が出産を2週間早め、男性の最期の願いを叶えていた。
画像は『Metro 2021年9月20日付「Woman has baby through IVF so dad with terminal cancer can meet his grandchild」(Picture: Caters)』『The Mirror 2021年9月20日付「Nurse became single mum at 25 so her terminally-ill dad could meet his grandchild」(Image: CATERS NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)