大好きな父とどうしても一緒にバージンロードを歩きたい―余命僅かの父親のために、挙式を早めた女性。すると病院側も協力し、このほど女性は院内でめでたく挙式、父親も最後に美しい娘の晴れ姿を目に収めることができた。米メディア『PEOPLE.com』『Inside Edition』が伝えている。
米カリフォルニア州リッチモンドに住むヴィエニースさん(27歳)は、恋人のダグラス・スタントンさん(30歳)から今年2月にプロポーズされ、結婚式を2018年の4月に控えていた。
ところがプロポーズの時期と同じくして、ヴィエニースさんの父プレストン・ローランさん(64歳)が急性白血病と診断を受けた。すでにダグラスさんと同居していたヴィエニースさんは、病を宣告された父を引き取って3人で暮らし始めた。
娘の婚約をとても喜んでいたプレストンさんはその後、サンフランシスコにあるUCSFメディカル・センターに入院。夏を過ぎて数か月した頃には、医師から「容態が悪化している」と伝えられ、ヴィエニースさんは急きょ挙式を早めることにした。
「式は11月に変更し、それまでになんとか父が退院できることを願いましたが、10月初めに医師から父の余命が残り6週間だと宣告されてしまいました。」
悲しみに沈んだヴィエニースさんだったが、なんとしても大好きな父と一緒にバージンロードを歩きたいという気持ちは変わらなかった。病院へプレストンさんを迎えに行き、予定していた市民ホールでの挙式に10分だけでも立ち会ってもらおうと考えていた。
しかし病院のスタッフらは、院内で式をあげてもいいということをヴィエニースさんに伝えた。
11月16日の朝、いつものように病院の周りを散歩するプレストンさんを看護師らが伴い、ヴィエニースさんが隠れている場所まで連れて行った。そしてウェディングドレス姿のヴィエニースさんが突然プレストンさんの目の前に顔を出すと、当然のことながらプレストンさんは驚いた。
「父の反応はプライスレスでした。私の姿を見て泣き出し、喜びながら看護師たちに『私の娘なんだ』と自慢していました。」
幸せの瞬間を、父にも分かち合ってほしいというヴィエニースさんの願いは叶った。家族や友人、医療スタッフらが見守る中、ヴィエニースさんはバージンロードとなる病院の廊下をプレストンさんと腕を組んで歩いた。