昨年10月にお互いの夫のドナーになることが承認された。
偶然の会話から7か月後の2021年3月19日、ティアさんはランスさんに、スーザンさんはロドニーさんに腎臓を提供することになった。ピエモント・アトランタ病院(Piedmont Atlanta Hospital)で行われた2つの移植手術は成功し、彼らは順調に回復していったという。
腎臓専門医で腎臓移植プログラムの責任者であるクリスティーナ・クライン氏は「2組のカップルが相手のパートナーへの臓器移植を提案し、実際に適合することは極めて稀である。個人的には、このような例は見たことがない」と述べた。
スーザンさんの夫ランスさんは「ティアと私の適合性検査の結果がほぼ完ぺきに近いほど良好なのが分かった時、これは成功するという確信が持てました。手術から目覚めた後は何でもできるような気がして、ああ、人生が変わったんだなと嬉しくなりました」と語った。
ティアさんの夫ロドニーさんも「昨年、妻がオフィスのトイレで血液型の話を持ちかけてくれたおかげで素晴らしい人生を送れます」と感謝の思いを吐露した。
スーザンさんは、今回の経験をこう振り返っている。
「すべては人を思いやる気持ちから始まったのです。私たちがトイレで手を洗っていた時、もしティアが声をかけてくれなければ、夫たちの腎臓移植は叶わなかったかも知れません。最近は多くの人がSNSなどに忙しく、人間らしいコミュニケーションを忘れがちです。ですが、優しい気持ちを持って人と接することはとても大切なことだと改めて思いました。」
また2組の夫婦は、自分たちの経験をきっかけに生体臓器移植のドナー登録への協力を呼びかけたいとしてこのように述べた。
「私たちが皆さんに伝えたいことは、あなたは誰かの希望になれるかもしれないということです。自分たちの経験を伝えることで、多くの人が生体臓器提供を検討するきっかけになることを願っています。」
画像は『Good Morning America 2021年6月7日付「Co-workers donate their kidneys to save each other’s husbands」(Children’s Healthcare of Atlanta)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)