緊急通報と言えば、事件や事故、急病や火災など文字通り“緊急を要する事態”に行うものだ。アメリカやカナダなどでは“911”が緊急通報用電話番号だが、過去には意外な用件で911にダイヤルしてしまった子供たちがいるという。
まずは2016年に911に電話をかけてニュースとして取り上げられた米サウスカロライナ州に暮らす当時2歳の女の子、アリーヤちゃんの例だ。保安官代理のマーサ・ローンズさんがこの通報を受けたが、赤ちゃんのような声が聞こえたものの電話はすぐに切れてしまったため、マーサさんは発信元の住居を訪問することにした。
マーサさんがドアベルを鳴らすと、玄関からアリーヤちゃんが元気に飛び出してきたという。アリーヤちゃんのズボンが膝までしかはけていないことに気づいたマーサさんは、アリーヤちゃんがズボンをはくのを手伝ってあげた。今回の通報についてマーサさんは「アリーヤちゃんがズボンをはけなくて助けを求めてきたようです」と話しているが、その証拠にズボンをはき終えたアリーヤちゃんは笑顔でマーサさんにハグしてきたそうだ。
アリーヤちゃんの母親ペブルス・ライアンさんは「アリーヤはYouTubeを見たり、電話をかけたりと携帯電話をよく使っています。911コールについても話をしたことがありますが、実際にナンバーを覚えていて保安官に助けを求めたことに驚いています」と語っている。今回の件を受けて、アリーヤちゃんはひとりで簡単に着脱できるズボンを買ってもらったという。
また2018年には米コロラド州で当時10歳の少年が「あの、緊急事態ではないんだけど…」とためらいがちに通報してきたという。「今、算数の宿題をしているんですが、71を3052で割るとどうなるのか分からなくて…」と言う少年に、