
「現場に着くとまず悪臭が鼻を突いた。そのうち慣れてきたけれど、サメにしてみれば焼きたてのチョコレートチップクッキーのニオイを嗅いでいるようなものだったと思う。その後の約8時間は次から次へとホホジロザメがやってきたんだ。それはまさに僕たちが期待していたことで、その場を去るのがつらいほど興奮したよ。」
「ホホジロザメは僕らがそこにいた8時間、ずっと船の周りをグルグル回って押してきたり、モーターを噛んだりしてきた。恐怖は感じなかったけど、モーターは船の上に引き上げなくてはならなかったんだ。」
「あの経験は僕がこれまで生きてきた中で、最高の一日といっても過言ではないよ。クジラを探すのには苦労したけど、わざわざ来た甲斐があったというものさ。一生忘れることはないだろうね。」
ちなみにアメリカ海洋漁業局(National Marine Fisheries Service)によると、サメの餌食となった個体は11歳のタイセイヨウセミクジラ(North Atlantic right whale)のオスだという。身体に漁具のロープが絡まっているのが最初に報告されたのは昨年10月のことで、救出を試みたものの約4か月後の2月27日にマイトルビーチ沖で死んでいるのが確認されていた。
タイセイヨウセミクジラが暮らす海域では近年、船と衝突したり漁具に絡まる事故が多発しており、アメリカ海洋大気庁(NOAA)は現時点での生息数は400頭以下と推測している。
画像は『Capt. Chip Michalove 2021年3月9日付Instagram「This big girl kept coming back」、2021年3月5日付Instagram「Maybe one of the best days I’ve been alive today.」、2021年3月7日付Instagram「Some day.」、2021年3月8日付Instagram「Quick fly by.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)