体長約15メートル、体重約70トンにもなるタイセイヨウセミクジラ(North Atlantic right whale)の死骸に、カミソリのような鋭い歯を持つホホジロザメが食らいつく姿が捉えられた。貴重な映像はSNSに投稿され、『LADbible』『NDTV.com』などが伝えて拡散している。
米サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランドで、釣り船のレンタル・ツアー会社「アウトキャスト・スポーツ・フィッシング(Outcast Sport Fishing)」を経営するチップ・ミシャローブさん(Chip Michalove)は、フィッシングガイドとして20年以上活躍するベテランである。
そのチップさんが今月11日、同州マイトルビーチの約24キロ沖で非常に珍しいホホジロザメの姿を捉え、Instagramに投稿した。
動画では、絶滅危惧種に指定されているタイセイヨウセミクジラの死骸に、水面から頭部を出したホホジロザメが食いついているのが見て取れる。クジラの肉を噛みちぎるためだろう、頭部を左右に揺らし、鋭い歯で何度もむしゃぶりついている。
貴重な場面に遭遇したチップさんは「これまでにないほどのクレイジーな経験をした」と明かすと、撮影に至った過程や当日の様子を次のように説明した。
「2月末のことだった。マイトルビーチ沖でクジラが死んで、ホホジロザメが群がっているという話を聞いてね。僕らのチームは船を出すタイミングをずっと見計らっていたんだ。研究のためにサメを捕らえ、追跡タグをつけて逃がすには絶好の機会だからね。」
「ただずっと天気が悪く、チャンスが巡ってきたのは今月11日だった。午前3時に船を出した僕らは、6時間後にクジラの死骸を見つけたんだ。」