一年を通してカヤックを楽しんでいるジェリーさんは「海の冷たさでヤギが死んでしまうかもしれない」と思い、ライフジャケットとネオプレン(合成ゴムの一種)のグローブ、そしてロープを持って外に出たそうだ。
「私が反対側からヤギを追い立てて、沿岸まで導くことができるんじゃないか」―そう考えたジェリーさんだったが、実際には難航したようだ。カヤックで海に出たジェリーさんはヤギに近づくと、持ってきたロープをヤギの角に引っ掛けようとしたが上手くいかなかった。
さらに当時は強い風が吹いており、パドルが飛ばされてしまった。気温はマイナス2度、海水温は4度で最悪のコンディションの中、パドルを取り戻すのに手を使ってカヤックを進める場面もあったという。それでもヤギを岸の方へ泳がせることに成功すると、岸で待っていた人たちがヤギを引き上げて救出した。ヤギは約30分間、海を泳ぎ続けていた。
ヤギの行く末を見守っていた人々は、レタスやバケツいっぱいの穀物を運んできて、持ってきた毛布でヤギを包んだ。ジェリーさんもヤギに寄り添い、お互いの冷え切った身体を温めたそうだ。
その後、飼い主がバナナでヤギを誘導して階段を上らせて、ベルファスト動物病院に連れ戻すことができた。獣医によると、健康状態に問題なかったという。
ベルファスト警察が今回の件をFacebookで報告すると、ユーザーからは「諦めずヤギを救出してくれてありがとう」「素晴らしいチームワークだ」「よくやった!」と称賛のコメントが寄せられている。
画像は『BELFAST (MAINE) POLICE DEPARTMENT 2020年12月30日付Facebook「Today the Belfast Police Department received a report that a goat had escaped from its owner in the parking lot of the Belfast Veterinary Hospital.」』『Bangor Daily News 2020年12月29日付「It took a community effort and bananas to lure this escaped goat back to the vet」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)