次のように語っている。
「未払金について調べている時、患者のなかには『どうしても支払いができない』という人たちがたくさんいることを知りました。そして妻や家族と話し合った結果、『私たちは何とかやっていけるが、多くの人が生活に困っている。もし人助けができるなら、パンデミックの今こそがベストタイミングなのではないか』と決意を固めたのです。」
「私が医師としていつも気がかりだったことは、患者が自分の健康、生活の質、長寿、家族、仕事だけでなくお金の心配をしなければならないということでした。患者の中には治療費のため生活が破綻してしまったり、医療保険未加入だったりと様々な人がいました。私のクリニックではお金がなくても、保険未加入でも患者を拒否することはありませんでしたが、パンデミックが追い打ちとなり、患者を取り巻く環境はさらに悪化したのです。」
「約200人の患者には2021年を新たな気持ちでスタートし、少しでも楽をしてもらえたら…と願っています。」
なおオマールさんはパキスタン出身で、ニューヨーク市のがんセンターで働いた後、1991年にアーカンソー州に引っ越した。現在はアーカンソー医科大学(UAMS)カレッジ・オブ・メディスンの教授として教鞭をとり、UAMSのがん治療センターでも働いている。また4人の子供たちは全員が医師か医師の卵だという。
オマールさんをよく知るアーカンソー医師会のデイビッド・ローテン(David Wroten)副理事は、オマールさんのことを「頭が切れるうえ、患者を思う気持ちが人一倍強い医師」と称え、「がん治療は高額で、患者の中には毎月10ドルの返済を20年続ける人もいるのです。彼はそのことをよく理解し、患者を大切にしてきました。そんな彼を私は誇りに思っています」と述べている。
ちなみに2019年5月には、米ビリオネアが大学卒業式で11億円超えの学生ローンの肩代わりを約束し、会場は総立ちとなった。
画像は『Inside Edition 2021年1月5日付「「Doctor Erases Nearly 200 Cancer Patients’ Medical Debt Worth $650,000」』『Good Morning America 2021年1月1日付「Doctor erases cancer patients’ medical debt totaling $650,000」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)