お腹の胎児が大きな腫瘍を抱えていることを知った両親は、医師に中絶を勧められながらも妊娠を継続した。予定日より3か月早く誕生した女児は、腫瘍の摘出手術を受けて7月に1歳を迎え、両親は「ここまで成長したことを心から嬉しく思う」と喜びを露わにした。『Parent Herald』『Mirror』などが伝えている。
オーストラリア北部ダーウィン在住のマットさん(Matt、31)とラナイ・シアーさん(Lenai Schier、32)は昨年5月、妊娠20週の超音波検査で胎児の尾骨付近に大きな腫瘍があることを告げられた。これは約4万人に1人の割合で発生する「仙尾部奇形腫」で、腫瘍は胎児の身体の内側と外側の両方にできていることが確認された。
シアーさん夫妻は、医師から「腫瘍があまりにも大きく、死産の可能性が高い」と中絶を勧められたが、MRIでは腫瘍が臓器に達していないことが明らかになり「この子が産まれて苦しまないのであれば出産したい」と妊娠を継続した。しかし日に日に大きさを増す腫瘍は胎児の臀部に大きく突出し、心臓への負担が増大して貧血の症状が現れた。
ラナイさんは当時の気持ちをこう振り返る。
「あの頃は本当に不安で、怖くて仕方ありませんでした。ネットで病気について調べましたが情報が少なく、同じ病気を経験した母親からのアドバイスが一番の励みになりました。医師らは腫瘍が大きすぎることを心配していましたが、私は赤ちゃんが元気に産まれてきてくれることだけを祈っていました。」
そして2か月後の7月8日、予定日より3か月早く破水したラナイさんは、