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writer : katakura

【海外発!Breaking News】新型コロナと闘う―台北編 政府への圧倒的信頼で一致団結する国民 キーマン「鉄の部長」陳時中氏が見せた涙

今、世界的に見れば、新型コロナウイルスの抑え込みに成功しているとされる台湾だが、警戒は緩むどころか徐々に強まっている。台湾を代表するスポットであるナイトマーケットは、4月10日付で人数制限の実施が発表された。政府は事業者と消費者にマスクの着用を義務付けるほか、消費者に対しナイトマーケットでの食べ歩きを控えるよう呼びかけている。また4月4日から台北メトロや市内の路線バス利用時のマスク着用が必須となっている。これ以前には、タクシー乗車の際にもマスク着用が要求され、マスクを着用していない客に対し、ドライバーは乗車を拒否できるようになっていた。

新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に深刻な影響を及ぼすなか、台湾の街はどう変わったのか。筆者が暮らす台北市では、検温やアルコール消毒が徹底されている。たとえば小学校では登校前に自宅で検温、校門で検温、正午にも検温。週に1回は学校内を消毒している。デパートなどの商業施設では入り口を狭め、検温担当スタッフを配置。デパート内のパン屋でさらに検温を受けたこともある。病院は小規模なところでもマスクを着用していなければ診察を受けられなくなった。

市内の多くの企業はテレワークや交替制を導入。テレワークで対応できない業務はフロアを分けて働くなど、ソーシャルディスタンスを確保するためにさまざまな工夫が行われている。

また影響の大きい飲食業界では、宅配サービスやテイクアウトに活路を見出す店も少なくない。宅配を始めたところ、以前より売上が増えた店もあるという。いつもは日本人観光客でにぎわう小籠包の名店「鼎泰豊」はテーブルとテーブルの間隔を大きく広げて営業を続けている。そのほかショッピングモールのフードコートではテーブルを透明なボードで仕切り感染防止を図るなど、それぞれが対策を取って未曾有の危機を乗り越えようとしている。

自粛要請を受けてから出歩く人は減っているが、完全に自粛しているわけではない。休日にはデパートへの入場待ちの車が列を作っており、

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