メディアの取材に応じて次のように明かした。
「病院ではここ1年ほど、スタッフが使用する医療用品が足りない状態が続いていたわ。補充しようにも、備品室にほとんど何もないということが何度もあった。それが新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れるようになってさらに酷くなり、スタッフは感染者も非感染者も同じ防護服で対応するようになったの。病院には替えがなかったから。それで私たちは感染予防のためにゴミ袋を纏うようになったのよ。」
「マスクも防護服も、フェイスシールドも再利用しなければならなかったの。『収束するまで同じものを使え』と言われてね。そのうちマスクやハンドワイプ、ハンドサニタイザーなどが夜のうちに無くなってしまうようになったわ。」
この訴えに対し、マウント・サイナイ系列病院のスポークスマンは「マスクや防護服が不足しているということはない。最前線で働くスタッフの安全は確保されている」と否定、カイオスさんについては「ヒーローを失って遺憾である」と述べた。
しかしながらインディアナポリス在住のカイオスさんの妹マーヤ・シェロンさんは、病院側への不信感を拭いきれない様子で「私は兄が病院でウイルスに感染したと確信している」と語っている。
そしてこのニュースには「マウント・サイナイ系列病院はかなり大規模で有名だ。それなのにスタッフがこんな形で危険に晒されているとは驚きだ」「病院の責任なのか、新型コロナの感染拡大が問題なのか。いずれにしてもゴミ袋での感染予防というのはあり得ない」「ニューヨークは感染者が急増している。ピークが来たらどうなってしまうのか」「医師、看護師が守れなかったら、患者は守れない」「トランプの対策が遅すぎたんだよ」といったコメントがあがっている。
ちなみに米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームによると、新型コロナウイルスのアメリカでの感染者は日本時間27日19時過ぎの時点で8万5千人超、ニューヨーク州だけで3万9千人以上という。同州のクオモ知事は「このままでは医療機器や人員、病床が不足する」と懸念を表明しており、州内の大学寮やホテルを活用して病床を確保するほか、マスクなどの寄付、退職した医師や看護師に協力を呼びかけるなどの対策を進めている。またニューヨーク大学は医学生の卒業を早めて現場に送り出す予定とのことだ。
画像は『New York Post 2020年3月25日付「Worker at NYC hospital where nurses wear trash bags as protection dies from coronavirus」(Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)