口部分が大きく裂けて顎がなく、開いた口は常に出血しているという深刻な障がいを持って生まれたロシア在住の女児(6歳)が今年8月、多くの人の支援を受けてイギリスへ渡り、下顎の形成手術を受けた。この手術によって新しい顔を手に入れた少女は、6歳にして初めて笑うことが可能になった。『Siberian Times』などが伝えている。
シベリア中部クラスノヤルスク地方在住のダリナ・シュペングラーちゃんは、顔半分が未形成で顎が無く口の部分が顔いっぱいに裂けた状態で産まれてきた。母親のエレナさん(47)は我が子を初めて目にした時にショックで気絶し、医師には子供を病院に置いていくよう言われたほどだった。エレナさんは6年前のことをこう振り返っている。
「夫のユーリーは、ダリナを見ても顔色一つ変えずに受け入れ、私にこう言ったのです。『この子は私たちの子。私たちの娘だよ』とね。児童養護施設に娘を渡してしまうなど考えられなかった私は仕事を辞め、夫とともにダリナにはできる限りの愛情を注いできました。娘の障がいは私たち夫婦の絆を一層深くしたのです。」
しかしダリナちゃんの容姿に驚いた親戚の多くは夫婦と縁を切り、外出すれば冷たい視線に晒された。幼稚園からは「他の子が怖がるから」と受け入れを拒否され、ダリナちゃんには友達もできなかった。顎が無いため普通の食事をとることやきちんと話をすることもできなかったが、ダリナちゃんの顔の本格的な形成手術はロシア国内では難しい状態だった。
そんなダリナちゃんが今年6月、