writer : tinsight-takazawa

梅雨に知っておきたい“キッチンのカビ対策” 専門家がコツを伝授「怖いのは見えない部分」

カビを繁殖させない工夫。近年流行りの「腸活」で有益な麹菌などもカビの一種であり、他にも生鮮野菜や果実にも実は必ずカビの胞子が付いているという。そこで川上博士は「ナス・キュウリ・トマトなどは買ってきたら収納する前に洗って汚れを取り除いておくことが大事。また、調理する際に、食材や調味料が飛び散ったりしたときには、気付いた時点で拭き取っておくという日常的な掃除がとても大切」とポイントを明かした。

また川上博士は「目に見える部分はサッと掃除ができるので、少し意識すればカビ対策になるが、怖いのはキッチンの『見えない部分』」と指摘。「流し台の下は昔からカビの発生が多い場所。昔は開き扉式で、調味料のボトルなどを直接置いていたのでカビが発生しやすかったが、扉を開ければ被害を見つけやすい面もありました。今は引出し式が多いので、収納部分だけ気を取られていて、その奥のキャビネットがどうなっているか見えにくくなっています。掃除がしにくい場所では、どのような素材でキッチンが作られているか知っておいた方がいい」とアドバイスした。

引出し式のキッチン

ではどのような素材がカビ対策に求められるのか。「キッチンカビに関する実験調査」をクリナップ株式会社が実施したところ、ステンレスと比べて木材はカビ胞子懸濁液が染みこみやすく、菌糸が木材内部へ侵入しやすいことが示唆された。つまり、木材よりもステンレスのほうがカビが発育しにくく、カビが発生しやすいキッチンの素材としてはステンレスのほうが適していることが判明した。また万が一、カビを発見してもステンレスは金属なので拭き取るのも容易だ。

キッチンのキャビネットの素材も確認

国産メーカーのキッチンキャビネットは木製がほとんどだが、なかにはステンレスで造られているキッチンもある。頻繁に取り替えないキッチンだからこそ、新調したりリフォームする際には、機能性や見た目だけでなく「多湿列島」の日本ではカビ対策も念頭に置くのがオススメ。ただでさえ調理の際に湿気や熱が発生し、食品素材から出る養分も豊富に存在するキッチンは梅雨の時期でなくてもカビが発生しやすい。知恵や知識を駆使して、キッチンを常に衛生的に保ちたいものだ。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)

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