総額142,938ドル(約1587万9千円)を請求されたのだ。そこには救急医療ヘリコプターの代金55,577ドル(約617万円)、蛇の毒を中和するための抗毒素4バイアルに67,957ドル(約752万円)も含まれていた。
また病院側からは、アメリカマムシの毒に唯一入手可能だった抗毒素クロファブ(CroFab)1バイアルに16,989ドル(約188万円)も請求が発生していた。
このクロファブはロンドンを拠点とする製薬会社が販売しているが、独占権を握っているために高価で、その価格は1バイアル3,198ドル(約35万4千円)にもなる。しかし病院が購入する際には安くなるケースがほとんどであるにもかかわらず、セント・ヴィンセント・エバンズビル病院はそれを5倍の値段に釣り上げて請求していたのだ。
アリゾナ大学の毒ヘビ研究センターの創立者であるレスリー・ボイヤー博士(Dr. Leslie Boyer)は、「製薬会社はこの抗毒剤でかなり儲けを得ていますね。我が子が毒ヘビに噛まれたら、親はどんなに高額でも払うでしょう」と話している。
ジョシュアさん夫妻はインディアナ大学で働いており、幸いにもインディアナ大学医療保険(IU Health Plans)に加入していたため、107,863ドル(約1,200万円)を保険で賄うことができた。さらにオークリーちゃんをサマーキャンプに行かせる際に加入した保険により、7,286ドル(約81万円)を追加で支払うことができたという。
また保険会社が各医療機関に価格交渉を行ったことで当初の請求額よりも減額され、今回の医療費はすべて保険で補えたそうだ。しかしジョシュアさんは医療保険業界の倫理的課題について教える立場にあるものの、今回のオークリーちゃんの医療費にはかなりのショックを受けたようだ。
ジョシュアさんは「米国で保険によって“医療費が全て賄える”ことは滅多にありません。この国の医療システムはわかっていますが、今回は奇跡と言えますよ」と語っており、「請求書を受け取った際に薬や他の保険会社の市場調査(オンラインでも可能)をして、病院や保険会社と交渉することが大切」とも訴えている。
なおオークリーちゃんは、今年もまたサマーキャンプに参加する予定とのことだ。
画像は『New York Post 2019年4月30日付「Young girl’s snakebite leaves family with $142,938 medical bill」(Chris Bergin for KHN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)