園側は事故をTwitterで報告した後、再びこのようにツイートした。
「女性を襲ったメスのジャガーは、安楽死にはなりません。ジャガーは野生動物です。だからこそ、お客様を安全に守るために防護壁があるのです。人間が勝手に防護壁を乗り越えた時には、問題が起こっても野生動物の責任にはなりません。とはいえ、怪我をされた女性や彼女の家族には同情します。」
事故以降、このジャガーは展示されていない。レアンさんは事故翌日、園を訪れて自分の行為を謝罪した。園側もレアンさんの非を認めた。しかし米メディアの取材で、レアンさんは「私は、防護壁に寄りかかっていただけ」と主張し、目撃者が言うように「完全に防護壁を乗り越えていた」行為を一切認めなかった。更に、園に対してこのように要求した。
「黒のジャガーがフェンスのそばを歩いていたので、いい写真を一緒に撮ろうと思ってコンクリートの防護壁に寄りかかったんです。その行為が間違っていたのは認めますが、園側ももっと防護壁とフェンスの間隔をあけてくれていればよかったのにと思います。だって誰でも届く距離にフェンスがあるし、園側がフェンスの位置をもっと後ろにやって安全を配慮しないと、こういう事故って私が最初でも最後にもならないんじゃないかしら。今回のことで、この園のイメージが今後悪くなってしまうなら申し訳ないとは思うけど、誰でもミスはするし、私は今回の件で学びましたから。」
また、レアンさんは「助けてくれようとした人には感謝しているが、事故当時の様子が勝手に撮影され、ソーシャルメディアで拡散したことについては不快に思っている」と心境を吐露した。
レアンさんを襲ったジャガーは、実は昨年もビデオ撮影をしようとした別の見学者をひっかいたことがあるという。園長含めスタッフらは、今回の出来事を次のように語った。
「女性は非を認めて謝罪しました。ですが、彼女のようにフェンスの外に防護壁がある意味を無視した人は、常にこうした問題を生じさせる可能性を持っているのです。現在、園では防護壁の再検討をしております。」
米動物愛護団体「全米人道協会」代表で最高責任者のキティー・ブロックさんは、「ジャガーは一度ひっかくだけで、大きなダメージを与えることもあります。そして動物にとっても、それは大きなストレスとなります」と話し、他の動物愛護運動家らも次のようにメディアに明かした。
「動物のスペースを侵害すると、動物の不安を引き起こすことになります。ソーシャルメディアでいい写真を投稿したいがために動物に近付く人が増えていますが、それはリスクを晒しているのと同じです。今回も自撮りを望む人のこうした行為が原因で、ジャガーや女性救助のためにジャガーの攻撃を妨害しようと試みた周りの人にまで、最悪の事態を引き起こす可能性もあったわけです。私たち人間は社会の一部であり、また自撮り文化の中にいます。ですが、それは人間にとっても動物にとっても大きなリスクになるということなのです。」
このニュースを知った人からは、「当然ジャガーは悪くない。フェンスに近付いた女が悪い」「非を認めているわりには園の安全対策を非難してるよね」「よく園を責める神経があるもんだ。最低!」「いい加減自分の愚かさに自分で責任を持て!」「防護壁とフェンスは決して近すぎないでしょう。よじ登る女が悪いのよ」「馬鹿な奴ほど自撮りしたがるよね」「こういうことをするのが子供じゃなく大人というところに驚くわ」「ジャガーに近付いたらどうなるかぐらいわからなかったのか!?」「動物園はこれ以上の安全対策を何もしなくていいでしょ。見物客がガイドラインを守ればいいだけなんだから」といった声があがっている。
画像は『Today 2019年3月12日付「Woman attacked by jaguar after seeking selfie speaks out」』『CBS News 2019年3月11日付「Woman clawed by jaguar at zoo says it was a “crazy accident”」(KPHO-TV)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)