店の厨房には3人の従業員が入っていただけだった。それでも素早くピザを用意し、スタッフが空港までデリバリーした。
Lサイズのチーズピザとペパロニピザが機内に届けれらたことを知った乗客らは、驚きながらも機長の気配りに大喜びしたようだ。オンタリオ州にいる両親を訪ねてハリファックスへ戻る途中だったというフィロミーナ・ヒューズさんは、このサプライズに喜んだひとりだ。
「トロントで搭乗してから、乗客らは約8時間ほど機内に缶詰めになっていました。通常は飛行時間が2時間ほどなので、このフライトには機内食が含まれていなかったのです。だからこんな状態を強いられた乗客らは大きなストレスを感じるところだったのですが、それを機長が和らげてくれました。みんなピザのデリバリーを喜んでいて、機内で乗客たちは穏やかに明るく過ごしていました。」
また、別の乗客ビル・カーステンさんはピザの写真をTwitterに投稿し「フライトはトロントを発つ前から既に遅れていた。しかしハリファックスへ向かう前に機長が通路を歩いて、乗客ひとりひとりに状況を説明してくれた。だから私たちも状況を把握できて不安になり過ぎることはなかった。あの機長は本当にいい仕事をしてくれた」と機長の心配りとサービス精神を称賛した。
フィロミーナさんによると、機内にはエア・カナダ・リージョナル社のジャズ航空のパイロットも2名搭乗しており、彼らも協力してピザのデリバリーを受け取り、乗客に配ってくれたそうだ。機長はフライト後に、乗客らに向かって「自分一人では対応できなかった。乗務員全員のヘルプのおかげだ」とクルー全員を称賛するコメントを残したという。なお乗客らは、翌5日の午後にフレデリクトンからハリファックスへと無事に戻ったとのことだ。
このニュースを知った人からは、「機長、なかなかやるな!」「全ての航空会社がこういうスタッフばかりだといいのに。悲しいことに、収益だけを気にする航空会社も多いからね」「乗客をどんなふうにリスペクトしサービスするかを熟知しているパイロットには拍手」「こういう素晴らしいニュースを耳にすると嬉しいね」といった声があがっている。
画像は『CBC.ca 2019年3月6日付「Air Canada pilot orders 23 pizzas to Halifax-bound plane stranded on tarmac」(Shutterstock/Bill Karsten/Twitter)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)