ひょっとしてセオのコソ泥癖が治まるのではとわずかながら期待していたという。しかし盗み癖が治るどころか、このほどついに現金までも盗んでしまった。セオはクリスマスの飾りつけやおもちゃなどを頻繁に盗み続けていたことから、レイチェルさんが「ガラクタばかりじゃなくて、お金でも持って帰ってきて」と冗談を言ったことがあるそうだが、実際に現金を盗んできたセオを見た時には青くなったという。
セオが盗んだ現金は、持ち主が牛乳配達人に手渡すために置いていたものだった。透明のビニール袋に入っていたお札と硬貨は、全部で25.70ポンド(約3,800円)。幸いにも袋の中に住所が記載されたメモがあり、レイチェルさんのパートナー、ポール・エドワーズさんが返しに行った。持ち主は猫の仕業と知り、「しょっちゅう起こっていること」と言わんばかりの態度で小さく微笑みながらお金を受け取ったそうだ。
「近所に自分の猫のコソ泥ぶりを紹介しているようで、恥ずかしいったらありませんでした」とポールさんは話す。
「もちろん、セオには厳しく言って聞かせました。どうやら昔、気に入っていた空のチャリティーバッグだと勘違いしたようです。もっとも泥棒はいけないことだと話すと、とても申し訳なさそうにしていました。」
猫の行動を研究している猫専門の生物学者ロジャー・テイバー教授は、「猫はしばしば、まるで勲章のようにゴミ箱を漁って見つけた食べ物を家に持ち帰ってくることがあります。誰かの所有物を定期的に持ち帰るのはまさにコソ泥行為ですが、こうした行為は母親から生きた獲物を捕らえることを教わっていない猫に起こりがちです。母親やきょうだいと関わり学習する機会を持たない猫は、特におもちゃに固執するようになり、人の所持品を狩り続ける傾向にあるようです」と述べている。
画像は『BBC News 2019年3月5日付「Ipswich cat burglar Theo steals milkman’s money」(RACHAEL DROUET)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)