マークとその女性は携帯電話の会話がきっかけで口論になった。マークは女性が話していた相手が誰であるのか教えろと強要し、女性が拒否すると暴言を吐き、怪我をさせると脅迫。その5日後、2人はマークが運転していた車中で再び口論になった。女性が車を止めるように言うもマークが拒否したため、車外へ逃げようと試みた女性のフード付きトップの襟元を掴んだマークは、女性の呼吸を困難にさせ、目的地に着くと女性の膝を蹴った。後にマークは、警察に「混んだ道路に女が出ようとしたのを止めるためにそうした」と供述していたという。
今回、パパクラ地方裁判所の法廷でマークとこの女性は騒動が絶えない関係であることが明かされたが、マークの人生が現在も荒んだ状態である理由は、部分的にメディアの過剰報道が原因であるとグラハム・リード弁護士は述べた。
「依頼人は、過去には自らメディアの前で話したことがきっかけとなり世間に知られるようになったが、過去がそうであったからといって永久的にメディアの前に自身を晒すことを望んではいない。依頼人が職場や住居、社会的サポートを得るのが困難なのは、部分的に彼のタトゥーが原因ではあるが、一方でメディアに繰り返し報じられたことにより、前向きに人生を歩もうとしていた依頼人に負担がかかり、状況が悪化した。今回の訴訟をメディアが再び報じれば、依頼人に対する悪評が高まり、望んでもいない注目を浴びることになる。昨年9月に起訴が報じられた時点で、既に依頼人は世間から脅迫を受け取っている。メディアで報じられるたび、依頼人は自身の安全を考慮しなければならない立場になってしまう。依頼人が目立つタトゥーをしているという以外は、犯罪行為自体は日々何十件と法廷で取り扱う他者の犯行と変わりない。依頼人について報じるメディアの姿勢は、一般大衆が興味を持っているからというよりは、単なる覗き見やエンターテインメントにすぎない。」
『NZ Herald』の法廷内での写真撮影を許可した判事は、このケースに多くの人々が興味を示しており、メディアが事件についての詳細を書いたり、写真を公表することを止める理由はないとしている。一方、メディアに報道をやめるように訴えていたマークは、「今は、報道によって自分の人生が荒らされている。メディアを見た人からの偏見のせいで脅迫を受け、大家だって自分の前科を知っているので家を貸してもくれない。人生やりにくくなった。裁判には手続きがあり、それに従うことは理解できるが、自分が他の誰よりもメディアで注目を浴びるのは不公平」と話している。
しなしながら、2017年の時点で人生やり直しの機会を周りから与えられたにもかかわらず、棒に振ったのは本人にほかならない。当初、メディアを通して「タトゥーを後悔している」「仕事がほしい」と語っていたマークには、仕事のオファー以外に、オークランドのキングスランドにある「Sacred Laser」で働くブライアー・ネビルさんから無料でレーザー施術のオファーがあり、マークはタトゥー除去の決心をした。この時にも、1回目の施術に訪れたマークをメディアが報じていたが、やる気を見せていたのはカメラの前だけだったようで、マークがブライアーさんのもとへ除去施術に訪れることは二度となかったという。
昨年の件で有罪となったマークの判決は、5月に下される予定となっている。今回の訴訟で裁判所の前に現れたマークの顔には、以前と同じ派手なタトゥーが存在していた。現在は無職で本人は仕事を探していると言うが、見た目以上に行いに変化がなければそれは容易なことではないだろう。
このニュースを知った人からは「数年前にメディアで報じられた時にあれだけやり直す機会を与えてもらっておきながら、自分でダメにしたんだろう。それなのに今は被害者面か」「愚かな奴」「こんなタトゥーを彫った時点で、もう人生負け犬だろう」「そうそう、今度は『LOSER』って彫ったらどうだ」「社会のクズ」「メディアのせいにしてるけど、そのタトゥー彫って罪を犯したのは他でもない自分でしょ」「知性がないとこういう人間になる」といった声があがっている。
画像は『news.com.au 2019年2月25日付「Man with ‘Devast8’ face tattoo admits assault on pregnant woman」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)