自分の先祖が誰なのか、どこから来たのかと疑問を持つようになったという。ジェシカさんは考えた末に、アリスちゃんが11歳を迎えたクリスマスに「DNA鑑定キット」をプレゼントした。
それは「23andMe」というオンラインを介して自宅に届く検査キットで、自分のDNA検査ができるというものだ。「23andMe」の公式サイトで自分専用のページにアクセスすると、DNA鑑定した人の中から自分とDNAの関係がある者を知ることができる。
ジェシカさんは「23andMe」で、アリスちゃんの父親である精子提供者のアーロン・ロングさん(Aaron Long、52)を見つけ出した。実はアーロンさんも、精子提供によって生まれた子供達がどうなっているのか気になり「23andMe」で鑑定を行い、既にアリスちゃんのほか、ブライスさん(20)、マディさん(21)の2人の子供を探し当て、良い関係を築いていた矢先のことだった。
ジェシカさんは「23andMe」上で、アーロンさんにアリスちゃんが自分のルーツについて知りたがっていること、自分が同性婚だったことなど現状を伝えた。それからというもの、2人はお互いのSNSを通じて交流するようになった。この時、アーロンさんはジェシカさんをレズビアンとは感じていなかったという。
それから5か月後の2017年7月、ジェシカさん親子はアーロンさんから「私や私の子供達とシアトルで会いませんか」と誘いを受けた。当時オレゴンに住んでいたジェシカさんだったが、この申し出を受けアーロンさん達と会うことにした。
ジェシカさんとアーロンさんは初めて会ったにもかかわらず、以前から知っている者同士のように大きなハグをしてお互いを抱きしめた。ジェシカさんにとって、アーロンさんは娘のアリスちゃんと同じ雰囲気を持っていたためか、すぐに心が惹きつけられたという。また、ジェシカさんはアーロンさんの血を引くブライスさんとマディさんともすぐに打ち解けた。
現在、ジェシカさんはアリスちゃんを連れてシアトルに引っ越し、アーロンさんとともに暮らしている。2人は「23andMeは出会い系のサイトではありません。でも私達の関係を築くきっかけとなった技術に感謝しています」と話している。
画像は『Aaron Long 2018年7月25日付Facebook、2018年9月30日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)