更にはKJ君の高額な医療費の支払いに追われていたことから、ラソンドラさん家族はKJ君の墓石を購入する余裕が全くなかった。現在KJ君はデトロイトのエルムウッド墓地にある家族の墓に埋葬されているが、子供を失った悲しみに加えて墓石さえも用意してやれないことにラソンドラさんは心を痛めていた。
すると、ケイレブ君が母親クリスティー・ホールさんに「お墓っていくらぐらいするの?」と尋ね出したのだ。その時の様子を回顧し、クリスティーさんはこのように語っている。
「ケイレブは自分のクリスマスプレゼントのことよりも、親友のために最後のプレゼントをしてあげたいと思ったのです。この先、息子にはきっと多くの友達ができるでしょうが、KJ君は特別なのです。息子はKJ君のことが本当に大好きでした。私もKJ君が大好きだったので、彼がいなくなって本当に悲しく寂しい。でももっと悲しいのは息子が親友を失い、私の友達(ラソンドラさん)が息子を失ったことです。」
大好きだった亡き親友のために、墓石を買ってあげたい―そう思ったケイレブ君は、空き瓶や空き缶などを集めたり落ち葉を掃いたりと、どんな仕事でもしてお金を貯め続けた。そしてこれまでに900ドル(約102,000円)を貯め、ラソンドラさんに手渡した。しかし、墓石を買うためには更なるお金が必要になる。クリスマスまでにその願いを叶えたいと思ったケイレブ君の気持ちを察したクリスティーさんは、PayPalサイトで寄付を呼びかけた。目標金額は2,500ドル(約280,000円)だが、今のところ順調に寄付が集まっており、クリスマスまでには墓石を購入できそうだという。12月10日、ケイレブ君とクリスティーさんはラソンドラさんを伴ってKJ君の墓石を選びに出向いた。たったひとつの願いがもうすぐ叶えられそうであることを知ったケイレブ君は、今の気持ちをこう明かした。
「KJのお母さんのことも大好きだから、KJのお墓がちゃんとあった方が、KJのお母さんも喜ぶと思ったんだ。それにみんながKJのお墓参りに行った時、墓石があればどこにKJが眠っているかすぐわかるでしょ。」
懸命に、墓石のためにお金を集めるケイレブ君とKJ君の絆がいかに深いかは言うまでもない。クリスティーさんは「こうして必死で願いを叶えようと集中することで、息子のKJ君を失った辛さが少しは癒えているのではないでしょうか。ラソンドラさんにとっても、ケイレブの行為がほんの少しでも救いになってくれればと思います」と話している。
画像は『Fox 5 NY 2018年12月12日付「Best friends forever: Boy, 12, raises money to buy headstone for best friend」(FOX 2 Staff)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)