警備員から話を聞いたというマンションの管理人だった。犬と猫を飼っていたのは夫婦であり、夫は妊娠中の妻に「出産後はペットを飼うな」と言い放ち、それに反対した妻との間で口論になったという。ペット2匹の死は、反論した妻に逆上した夫が21階の窓から犬と猫を放り投げたことによるものだった。
動かなくなった2匹の周りを住民と思われる人々が取り囲み、ある女性が犬を撫でながら泣いている姿が収められた動画は、たちまち中国のソーシャルメディアで拡散した。9日には「ペットの死は、完全な事故」「夫は過ちを反省している」といった張り紙が飼い主によりマンションに貼られたようだが、犬と猫が同時に21階から転落するという出来事は、偶然にしてはあまりにも無理がある。ソーシャルメディアでは「人として、命を敬うことを学ぶべきだ」「社会を脅かしたことに対しての罪を受けるべき。もし、落ちてきたペットで誰かが怪我をしたらどうするんだ」といった非難の声が集中した。
しかし中国では動物の虐待に関する法律は特に定められていないため、警察やマンションのセキュリティーサービスも、この飼い主の男性に対してはなんの対応もしていない。ある住民女性は「男性がいつも犬を散歩させているのを見ていた。まさかこんなことをするなんて思ってもいなかった」と悲しみを露わにした。妻のお腹に宿る命を大切にしているのならば、なぜペットの命も大切にできなかったのか。無残にも放り投げられ、命を奪われた犬猫が気の毒でならない。
画像は『South China Morning Post 2018年9月12日付「Chinese man ‘threw cat and dog out of 21st-floor flat’ after heated row with wife」(Photo: Pear Video)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)