愛犬との楽しいひとときが、後に人生を大きく変える事態へと発展してしまった。2016年、英マンチェスター郊外に住む男性が飼い犬の唾液に感染し敗血症となり、両脚や手の指を切断しなければならない悲劇に見舞われたのである。このほど英メディア『Manchester Evening News』『Mirror』などが伝えた。
2001年に南アフリカからイギリスに移住し、マンチェスター郊外のチョールトン=カム=ハーディに暮らしながら認知症患者を対象とする精神科医を務めているジャコ・ネルさん(52歳)は、2016年10月に人生を大きく変える悲劇に見舞われた。
その日、愛犬でアメリカン・コッカー・スパニエルの“ハーヴィー”と遊んでいたジャコさんは、手をほんの少し犬に引っかかれてしまい傷を負ったが特に気にすることもなく、手を洗った後はそのことも忘れて普通に過ごしていた。ところが2週間後、インフルエンザのような症状がジャコさんに現れた。
「暑くなったり寒くなったり、震えが止まらず体が温まることはありませんでした。体中が痛かったので、インフルエンザかと思いパートナーに『自宅へ戻って寝るから』と連絡し、秘書には全ての予約をキャンセルするよう頼んで家に帰りました。翌日は更に具合が悪くなって職場に電話することさえできなくなり、電話が鳴っていることさえ気づきませんでした。パートナーが仕事から帰って来た時には、私は立ち上がることも両手をまともに動かすこともできず、話すことも困難になっていたのです。」
パートナーによって救急車が呼ばれ、駆けつけた救急隊員はジャコさんの体中に敗血症の兆候である赤い斑点があることに気付いた。救急隊員は直ちに抗生物質の投与を開始したが、ジャコさんは緊急外来に到着するや否や倒れてしまい、そのままICU(集中治療室)へと運ばれた。医師らはジャコさんを昏睡状態に保ち治療を続けた。
敗血症性ショックに陥ると、生存率はわずか20%とされるという。ジャコさんの場合、腎臓が機能を失い始め、