米ロードアイランド州で消防士として働いていた男性を突然襲った手首切断の悲劇。趣味のマウンテンバイクを楽しむ中で茂みに転落した際、手にトゲが刺さったことが悪夢の始まりだったという。
米ロードアイランド州ニューポートに暮らす、ブレイデン・レオナードさん。ジョンストン消防署の消防士になって9年とまさに働き盛りであった中、右手の手首から先が壊死したために切断を余儀なくされた。原因はトゲ。普段さまざまな負傷者、病人の救命救急にあたっている彼は、手にトゲが刺さるくらい何でもないと思っていたという。
6月上旬のある休日、レオナードさんは海、緑、街並みのすべてが美しいニューポートで趣味のマウンテンバイクを走らせていた。その中で、ある時いばらの茂みに落ちた彼のバイク。手に刺さったトゲを「たいしたことない」と放置したレオナードさんであったが、それは次第に激痛へと変わり病院へ。検査では「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌の侵入が確認され、右腕の手首から先の組織はみるみる壊死。緊急入院が決まり、「切断は避けられない」と告げられた。
「人食いバクテリア」の代表格は、化膿レンサ球菌による劇症型A群溶血性レンサ球菌感染症。手指や足から人の体に侵入して急激に組織を壊死させ、その部分を切断してもショック症状や多臓器不全で亡くなる患者が多いことで恐れられてきた。早期の診断で化学療法や免疫グロブリン投与を試みることが肝心である。
「私はとてもラッキー。入院の時点で生存率は30%しかない、治療開始が遅れれば間違いなく死亡していたと言われたのですから」とレオナードさん。10日間の入院のうち、5日間は昏睡状態であったという。同僚の励ましもあり本人も消防士としての仕事を続けたいもようだが、現実的にはなかなか難しいとのこと。レオナードさんは現在、自由に寄付金集めができる『youcaring.com』というウェブサイトを利用し、義肢装具費3,684ドルを目標に人々の善意に訴えかけている。
※ 画像はyoucaring.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)