クジラを見つけては歓喜の声があがるホエールウォッチング・ツアー。チャンスをひたすら待ち、クジラとのツーショットを撮りたがる観光客も大勢いる。また静かに船に寄ってくるクジラがいたら…!? そんな時に禁忌とされる行為があることをご存じであろうか。『Miami Herald』などがホエールウォッチングにおける意外な罰則について紹介している。
違法行為があったのは、サンフランシスコから200kmほど北に位置するメンドシーノ郡フォートブラッグの港からホエールウォッチングのクルーザーを運行している「アンカー・チャーター・ボーツ(Anchor Charter Boats)」と、そのツアーに参加した客たち。クルーザーの脇腹に寄り添って泳ぐコククジラ(英名:Eschrichtius robustus /gray whale)に観光客が興奮し、自撮り棒を用いてクジラとのツーショットを試みる者、その背を撫でてみようと手を伸ばす者が続出。楽しそうな様子を撮影した動画を「アンカー~」社がFacebookのページに紹介し、批判が相次いで当局への通報となった。
理由は、海洋に生息する哺乳類に対してヒトが300フィート(91.4メートル)以内に近づくことを米・海洋哺乳類保護法が禁じているため。「生物多様性センター(Center for Biological Diversity)」のスティーブ・ジョーンズさんは、サンフランシスコのCBS系メディア『KPIX-TV』に「なんと恥知らずで卑劣な人々。これはホエールウォッチング・ツアー会社がとんだ違反行為を犯しているという証拠の映像ですよ。明るみに出た以上、彼らは2万5千ドルもの罰金刑に直面し、船を失う可能性すらあります」と怒りをあらわにしている。また観光客グループについても、それぞれ最高1万ドルの罰金刑と最高1年の懲役刑を言い渡される可能性があると指摘した。
しかしアンカー社の代表でクルーザーの船長でもあるリチャード・ソーントンさんは、