レイチェルさんには痛み止めの座薬まで挿入したのはジョアンさんだった。レイチェルさんはこの時も、その助産師が自分のパートナーと性的関係を結んでいたことなど全く知らなかった。しかしジョアンさんは、「赤ちゃんはパパとそっくりね~」などとパートナーのことを知っているかのように話したのである。
出産翌日、帝王切開の傷が癒えず入院することになったレイチェルさんを置いてパートナーが病棟を出た後、ジョアンさんから「あなたのパートナーと1年2か月前にベニドルムで会った。彼の背中に日焼け止めを塗った」と聞かされ、レイチェルさんは驚いた。そして退院から1週間後、レイチェルさんは自宅を訪れた地域助産師に、ジョアンさんとパートナーとの関係やベニドルムでのことを涙を流して訴えた。その後、地域助産師はレイチェルさんから聞いたことをジョアンさんに連絡。ジョアンさんはレイチェルさんに電話をし、どのようにしてパートナーと出会い、性的関係を結んだかなどの詳細を告白した。ジョアンさんは一度きりではなく、その後3か月間もパートナーと会っていたという。
2017年11月、レイチェルさんはこの件を書面に綴り、「Liverpool Women’s Hospital」信託へ苦情を訴えた。すぐに内部調査を行い対応した病院側のスポークスマンは、このように述べている。
「患者のプライバシーに関わるため詳細は明らかにすることができませんが、2人のスタッフを懲戒処分にする手続きが行われました。現在、看護・助産協議会がこの件を対応中です。患者の女性にこのような苦悩を経験させたことを非常に申し訳なく思っています。」
レイチェルさんは「幸せな出産の思い出となるはずの瞬間を、今となっては汚された」と言い、このように心情を吐露した。
「子供の誕生を心待ちにしていた母親にとって、この出来事は想像を絶する苦悩です。妊婦だった私と生まれてくる娘のケアを万全にしてくれる医療のプロとして、助産師には最大の信頼を置いていました。それなのにジョアンさんは私のパートナーと関係があったことを出産後まで黙っていたのです。何か月も打ち明ける機会があったにもかかわらず、そのタイミングを見計らったかのように、出産直後に明かすなんて。子供の父親である私のパートナーと性的関係を結んだその手で、私は娘を取り上げられたのです。このトラウマは私が生きている限り消えることなく、私を苦しめるでしょう。このことが原因で、私たち家族はバラバラになってしまいました。他の女性たちには私のような苦悩を味わってほしくないので、今回メディアで訴えることにしたのです。」
パートナーと別れたレイチェルさんは、4人の子供たちのためにも前向きに生きるようにしているとも話したが、このニュースを知った人からは「一番責められるべき相手はパートナーでしょう。なぜ、助産師が解雇になるの」「妊娠前に起こった情事なわけだから、当然助産師は男性の相手のことを知らなかったわけだよね。確かに状況はよくないけど、助産師だけこんなふうにメディアで批判の対象になるのは間違っていると思う」「男が悪いのは当然だけど、助産師にも同情できない」「この助産師は、男の相手が自分の担当の妊婦だって知った時点で、他の助産師に仕事を代わってもらうべきだったのよ。知らん顔して出産にまで立ち会ったから、相手の女性を余計に苦しめたんじゃないの」「出産直後に告白するって残酷。助産師も男も悪い」「パートナーが妊娠中に他の女と寝るわ、子供の検査には立ち会わないわ、この男ロクな奴じゃないな」といった声があがっている。
画像は『Liverpool Echo 2018年3月23日付「Midwife held my newborn baby – then said she’d slept with the dad after Benidorm lads’ holiday」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)