台湾では、産後1か月は「坐月子」と呼ばれ特別なケアが必要な期間と考えられている。そのため産後ケア施設、産後料理の宅配サービス、ホームヘルパーなどを利用する家庭も多い。しかしこの坐月子を利用して、不倫相手の男の家にヘルパーとして入り込んだ女がいた。
『自由時報』が報じたところでは、女は中国広東省出身の36歳。12年前に台湾人と結婚し台湾で暮らすようになったが、6年前に夫の家庭内暴力が原因で離婚。その後は台湾中部のレストランで働き、生計を立てていた。しかし2年前、台湾北部に住むこの妻帯者である男と交際を始め、男の自宅から少し離れた町に引っ越した。男は毎月1万元(約3万3000円)の生活費を渡していたという。
2011年1月、男の妻が出産を終え坐月子期間に入ると、男は産後ケアのヘルパーを探すふりをして不倫相手の女を妻に紹介。何も知らない妻は承諾し、その後、女は約1か月間ヘルパーとして男の家に出入りしていた。
ところが同年12月、今度はこの女が出産。その頃から夫の言動に不信感を抱き始めた妻は、しばらくして夫が浮気をしていることに気付いた。すると男は女を遠ざけるようになり、連絡も取らなくなった。産まれたばかりのこどもを抱え、貯金も底をついた女は2012年2月、こどもを交番の机の上に置き去りにして自殺を決意。引きとめた警官に事情を話し、事が明るみに出た。
妻はこの女を相手に賠償請求を起こし、被告となった女は裁判のなかで、「妻子がいると知ったのは奥さんが出産してからで、坐月子を手伝ってほしいと言われ罪滅ぼしのつもりだった。その後別れようと思ったが自分も妊娠していることがわかり、産んで欲しいと言われたから産んだ」と述べ、自分も被害者であると主張したという。しかし裁判長は被告が早い段階で男が既婚者であることに気付いていたと判断し、50万元(約170万円)の慰謝料の支払いを命じた。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)