メッセージで「強盗に遭ったのは私の意思とは無関係であり、私が弁償しなければならないというのは不公平だ。一歩間違えれば自分が刺されていたりバンで轢かれていたかも知れないのに、どうして責任を負わなければならないのか。このままではAmazonと宅配会社に法的措置をとることも考えている」と訴えた。マーティンさんは自身の財布も盗まれているため、それはどうなったのかを上司に聞いても「わからない」と素っ気ない返答があるだけだった。
「この仕事は私の収入の全てでした。バンの中に置いてあった財布には銀行のカードや免許証も入っていたので、今もまだ免許証はありません。銀行のカードも再発行に何日もかかりました。だいたいAmazonのような会社は盗まれた荷物への保険をかけているはずです。なぜ私の給料から天引きされるのか、全く納得できません。それに6日分の給料も未払いのままなのです。」
そう語るマーティンさんだが、この件に関してAmazon側は「深刻な事件と受け止めている。運転手が安全で何よりだ。宅配業者とともに詳細を調査中であるが、個人の宅配業者と契約しているドライバーには、法律に則った正当な補償がなされるはず」とコメントしている。一方、マーティンさんを解雇した「Fast Despatch Transport Ltd」のスポークスマンは「契約したドライバーの安全は最優先されるべきこと。ドライバーが辞める時には、給料やドライバーの不注意によって車にダメージがあった場合の修理代などを計算するため少し時間をいただいているが、払うべきものはきちんとお支払いする。これは契約時に説明済みだ。盗まれた商品については責任を負わせることはない」と話している。しかしこの声明文はマーティンさんがメディアで話した後のものであり、明らかにマーティンさんが上司から聞いた言葉と矛盾している。
現在、ウェスト・ミッドランズ警察も「事件については捜査中」としており、マーティンさんにとっては最悪の年明けとなってしまったようだ。このニュースを知った人からは「宅配業者が実際に商品の弁償をドライバーに求めたとしたら、それは違法だ。法的措置を取るべき」「宅配業者だって保険に入っているだろうに」「ドライバーの安全第一とかいうけど、彼について一言も気遣うメッセージがないじゃないか」「解雇されるなんて気の毒すぎる」といった声があがっている。
画像は『The Sun 2018年1月15日付「SOLD DOWN THE RIVER Robbed Amazon driver sacked then told to pay for van AND stolen parcels」(IMAGE: DAMIEN MCFADDEN – THE SUN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)