万引き犯は絶対に今日はうちの店を避ける―そのスーパーマーケットのスタッフはいずれもそう確信していた。なぜならその日は警察が関わる慈善イベントが開催され、店の駐車場にはパトカーや白バイに乗った警察官が続々と到着していたのだ。しかしどうやらスタッフの読みは甘かったようだ。

米マサチューセッツ州ミドルセックス郡のフレーミンガムにある大手スーパーマーケットチェーン「Target」で19日、毎年恒例の“Shop with a Cop”なるイベントが開催された。不遇な環境にある地域の子供たちに警察官がクリスマスギフトを買って贈るというもので、子供は189名、そして警察官はフレーミンガム署、アッシュランド署、ネイティック署、ホリストン署から計65名以上が参加した。

あちこちに警察官の姿という少しばかり物々しい印象もあったなか、とんでもない悪事を働いていたのはメリッサ・アレンという32歳の女。『Milford Daily News』が報じたところによれば、夕刻に入店したアレンは同店で衣料品、家庭用品、専門小売店などから計1,100ドル（約12万4,000円）相当の商品を万引きしていたもよう。店舗に備え付けられている防犯カメラから証拠となる映像が確認されるも、逮捕の際にアレンは偽名を使用。警察官を蹴飛ばすなど暴れたことから、公務執行妨害も含め罪状は複数になるもようだ。

こんなトラブルはあったもののイベント自体は大成功であった。Targetの募金箱、および各警察署内の募金活動、そして同メディアに寄せられた善意の寄付金は合計9,000ドル（約102万円）にもなり、ギフトの購入にはこれが使用された。また参加した子供たちにはチキン系ファストフードチェーンの「チックフィレイ（Chick-fil-A）」が食事をふるまっている。

ちなみに不審なアレンの様子に気づいたのは店が雇っていた警備員で、