米シカゴの小児病院で生後11か月の女児と17歳の少女があるドナーからの肝臓をシェアした移植手術を行い、無事に成功した。2人の間に血縁関係はないが同じ肝臓を分け合った者同士、特別な絆が育まれたようだ。米メディア『Inside Edition』『CBS News 8』などが伝えている。
米イリノイ州レイク・イン・ザ・ヒルズに暮らすエイヴァ・ダンホフちゃん(11か月)は健康体で生まれたが、生後8週の時に目や皮膚が黄色味を帯びていることに両親が気付いた。後に胆管が欠如している胆道閉鎖症と診断されたエイヴァちゃんは腸と肝臓を直接つなぐ手術を受けたが失敗し、容態は急速に悪化した。
嘔吐を繰り返し、腹水が溜まり腹部が大きく膨れ上がるもやせ衰えていくエイヴァちゃんを見た医師らは早急な肝臓移植が必要と判断し、エイヴァちゃんが生後6か月になった6月に肝臓移植待ちのリストに加えた。
一方でイリノイ州レイクムアに住むケンダル・ハバーティーさん(17歳)は11歳の時から免疫の異常によって肝臓に慢性の障害が起こる自己免疫性肝炎を患い、投薬治療を受けていた。しかしその2年後、肝臓の内と外の胆管に炎症がおこる原発性胆汁性胆管炎と診断された。ケンダルさんの皮膚や目は黄色く濁り、関節の痛みを引き起こし腹部に不快感を与え脾臓が肥大した。一刻も早い肝臓移植が望まれたケンダルさんは、エイヴァちゃんの2か月後に移植リストに名を載せた。
そして8月3日、エイヴァちゃんとケンダルさんの2家族はドナーが現れたことを病院から知らされた。幸運にもドナーの肝臓は2人に適合するもので、5日に同州シカゴのルリー・チルドレンズ・ホスピタルで12時間をかけて移植手術が行われた。隣接した手術室で肝臓の30%がエイヴァちゃんに、残り70%がケンダルさんに移植されるという2人の患者への同時手術は、無事に成功した。