夫に瀕死の火傷を負わされただけでなく、その後は謝罪の言葉もなく去られるという経験をした女性。しかし家族と近隣住民らの温かいサポートのおかげで、ようやく心身ともに立ち直りつつある。女性は「私のストーリーを通して、同じような苦痛を経験している人たちの励みにしてもらいたい」と『People』『The Sun』『Inside Edition』など複数のメディアにその胸のうちを語った。
米ジョージア州ハラルソン郡のタラプーサで、結婚してわずか2か月目だったコートニー・ウォルドンさん(27歳)に悲劇が襲った。2016年9月30日、夫のミッチさんと焚き火の前に座っていたコートニーさんは、スマホを手にしFacebookを閲覧していた。ちょうどその時、炎が小さくなりミッチさんは缶に入ったガソリンを焚火に向けて勢いよく注いだ。
するとその瞬間、炎が広がりコートニーさんの体を包んだ。のたうち回り地面に倒れこんだコートニーさんは「救急車を呼んで!」と泣き叫び、夫が通報したことで近くの病院へ搬送された。だが顔に4度、手脚などには3度の火傷を負い、体の40%が焼け爛れてしまったのである。
ICU(集中治療室)での40日間を含む51日を病院で過ごしたコートニーさんは、皮膚移植など20回もの手術を受け、その治療費は総額200万ドル(約2億2,500万円)にも上った。しかし心身ともに激しい苦痛を与えられたコートニーさんを、さらに悲しみのどん底へ突き落す出来事が起こった。
妻の怪我を直視することに耐えられなかった夫ミッチさんは、コートニーさんが帰宅して2週間後に謝罪や労りの言葉もないまま突然姿を消した。夫に去られ無収入のコートニーさんは、治療費の支払いと娘キャロラインちゃん(5歳)の養育費のことを考え、これまで住んでいた家を処分しなければならなかった。コートニーさんは悪夢のような出来事を振り返り、このように話している。
「炎が私の体を包んだ時、もう死ぬかと思いました。あの出来事で人生最悪の痛みを味わいました。事故とはいえ、元夫からの『申し訳なかった』といった謝罪の言葉はいまだにありません。事故後に鏡で自分を見た時は、その変わり果てた姿に吐き気がして気を失いそうになりました。娘は退院後の私を見て驚きましたが、『あなたのママよ』と言うと寄ってきてハグをしてくれました。」
現在のコートニーさんは、アトランタ郊外にある両親と妹が暮らす家でキャロラインちゃんと一緒に生活している。幸運にも地元の教会である「Refuge Ministries of West Georgia」や近所の人たちが寄付を募り、親子のために新しい家を建ててくれている途中であり、コートニーさんは「みなさんには感謝してもしきれません」と明かす。一方でミッチさんは『Inside Edition』の取材に「あれは事故だったのだから、何を謝ればいいのかわからない。彼女には『撃ち殺す』と脅迫された」と答えているが、コートニーさんによるとそのような事実はないとのことだ。