救い出した犬は息も絶え絶えになっており、クライブさんがあげた水もすぐに舐めることができなかったという。そうしている間に飼い主の女性が戻って来て車の窓ガラスが割られていることに驚き、悲鳴を上げた。ほどなくして警察が到着し、この女性は何が起こったのかを知ることになった。
「女性はピザを食べに1時間半ほど車を空けていただけだと言いましたが、そんな重要でも何でもない理由で、車内に犬を放置するということが信じられません。そんなこと言い訳にもなりませんよ。車の屋根は触るととても熱くて車内温度も51度ぐらいになっていました。閉め切った車内で狭い檻の中に入れられて、水も与えられず新鮮な空気も吸えずにいたんですよ、かわいそう過ぎます」とクライブさんは飼い主の無責任さに怒りを隠せない。
「犬が死んでいなくてよかったわ」と言った女性に対し、クライブさんは憤然と「犬が死なずにいて、本当にあなたはラッキーでしたね」と言い返したという。クライブさんによると、女性は自分が犬を置き去りにして警察沙汰になったことを恥じていたそうだ。
デヴォン州&コーンウォール州警察のスポークスマンは「犬が窮地に瀕しているとわかれば、誰でも車を壊してでも救助する権利があります。毎年気温が高くなると、車内に犬が置き去りにされているという通報率は上がります。特に夏の間は、車内の気温が急速に上昇するために、車内に置き去りにされた犬は自分で体温を低く保つということができず心臓発作を起こしてしまい致命的です。もしこのような事態に遭遇した場合はすぐに署までご連絡して頂き、指示を仰いでください」と述べている。
今回、クライブさんが窓を割らなければ、この犬は暑い車内で命を落としていたかも知れない。「私は犬を救うためなら何度でも同じことをしますよ」と話すクライブさんには世間から「よくやった」と称賛の声が寄せられている一方で、身勝手な飼い主には当然のことながら多くの批判があがっている。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)