「自分の口座にあんな大金があったら気分も上がりますよ。福祉の援助を受けている私のような若い女性なら誰だって同じことをするんじゃないですか」と裁判で悪びれた様子もなく発言し、銀行側のミスで振り込まれた他人のお金を派手に使い込んだのは、アイルランドの首都ダブリン郊外のフィングラスに住む2児のシングルマザー、マーガレット・マクドネル(23歳)だ。
マクドネルは2013年3月7日~16日までの10日間で、アイルランド銀行から誤って口座に振り込まれた51,000ユーロ(約602万円)をATMから多額に引き出し、レストランや店で合計24,946ユーロ(約295万円)を使いこんだために“窃盗罪”で逮捕されていた。
2013年3月にダブリン巡回裁判所の法廷で証言したカール・スミス捜査官によると、この大金はアイルランド銀行の顧客の1人がフィングラス支店へ出向き、海外銀行からアイルランド銀行へ51,808ユーロ(約612万円)の送金を依頼した時のものであることが明らかになっている。依頼主はその後、自分の口座にお金が振り込まれていないことに気付き銀行側に連絡。銀行側が調査したところ、3月6日にマクドネルの口座に誤って振り込まれていたことが発覚した。
しかしマクドネルは突然増えた残高に狂喜し、翌日の7日にはすぐさま5,000ユーロ(約59万円)を引き出して子供たちのために衣類を購入したり、ブランチャーズタウンにあるギフトショップでクリスタル製の花瓶2つとランプを合計額3,844ユーロ(約45万円)を払って購入した。また友人や家族らと外食の日々を2週間続けたという。
ミスに気付き、マクドネルの口座から26,862ユーロ(約318万円)を引き戻すことができた銀行側は残りのお金も返金するように書面で依頼したが、マクドネルはその手紙を無視した。
逮捕されたマクドネルは警察の調べで「自分の口座に入っていたお金なんだから自分のものだと思った。銀行からの手紙を無視したのは、間違ったことをしたと気付き怖くなったから」と話している。
今年1月、コーマック・クイン判事はマクドネルが地域社会での奉仕活動に適しているかを評価するために保護観察期間を設け一時休廷を言い渡した。そして「再犯の可能性は低い」と判断された被告には4月4日、条件付き1年6か月の執行猶予と同時に150時間の社会奉仕活動命令が下された。またマクドネルが使い込んでしまったお金のうち、1,000ユーロ(約12万円)を1年半以内に銀行に返金することも求められた。
シングルマザーのマクドネルは政府からの生活保護(ベネフィット)を受けて生活しており、週に250ユーロ(約29,000円)を受給している。そのために、アイルランド銀行へ返金できるお金は毎週15ユーロ(約1,700円)のみだという。
銀行側のミスとはいえ、他人のお金を使い込んでしまったマクドネルは、幸運にも犯罪に計画性がなかったことから今回実刑は免れた。
このニュースを知った人たちの意見は様々だ。「そんな女刑務所に入れろ」「使い込むなんて呆れるね」「生活保護受給者って、結構浪費癖がある人が多いと思う。計画性がないからすぐお金がなくなるんだよ」「銀行側のミスだからこの人ばかり責めるのもどうかと思う」「そんな大金の送金作業を間違うなんて銀行側がいい加減すぎる」「最初からちゃんと銀行側に申告していれば、この人の人間性はリスペクトされただろうに」といった声があがっている。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)