スペインのバルセロナに住むアルバ・パレーホさん(16歳)は、2万人に1人の確率で発生する「先天性色素性母斑」という皮膚疾患を抱えている。英紙『The Sun』や『Mirror』によると、アルバさんは顔や手足、背中など全身に500以上のほくろがあるだけでなく、腰から臀部の広い部位は毛の生えた茶色の母斑で覆われており、5歳までに30回もの除去手術を受けてきたという。成長してトラウマとなってしまう前にと考えて行われた手術であったが、逆に手術跡が残りそれにも悩まされるようになってしまった。
特に13歳の思春期の頃は自分の病と向き合うことが最も困難だったようで、アルバさんは周りから好奇の目でじろじろ見られることを恥ずかしく格好悪いと感じ「自分はまるでエイリアンのようだ。普通になりたい。こんな自分じゃなかったらよかったのに」と何度も思い、泣いた日々もあったそうだ。
顔にもほくろがあることから「ダルメシアン」とからかわれイジメの対象にもなっていたアルバさんが最も傷ついたことは、人から「誰にも背中を見せるんじゃないよ。そんな不格好なガールフレンドなんて誰も欲しくないから」と言われたことだったという。「『そのほくろは自分で描いたのか』という人もいました。母斑を持つこの体はまるでモンスターのように感じていた時もありました」と当時の苦難を振り返る。
そんなアルバさんを変えるきっかけとなったのは、SNSへの投稿だった。昨年、ツイッターに自分の症状や写真を投稿したアルバさんは、周りから全く予想もしなかった反響を得た。隠さずにオープンにしたことで、人々は「インスパイアされた」とアルバさんを励まし称えたのだ。そして多くの人からの勇気をもらい背中を押されたアルバさんは、地元のショッピングセンター「Anec Blau」のキャンペーンに応募した。
そのキャンペーンで見事合格し、アルバさんがモデルとなった写真は地元の看板やバスの広告、新聞などに掲載され、その存在が知られるところとなった。アルバさんは自分の気持ちをこのように語っている。
「多くの人の励ましのおかげで、今は母斑を自分の一部だと受け入れられるようになりました。母斑を特別でユニークな個性だと思っています。私が病気をさらけ出した時、周りの人はポジティブに反応してくれました。知らない人から『素晴らしい』『あなたのおかげで私の人生も変わった』と言ってくれることをとても嬉しく思っています。アーティストたちは私の母斑や傷をアートとして見てくれます。今の私は同じ病を抱える人たちに『隠すことなど何もない』と伝えることでその人たちの励みになればと思っています。」
現在アルバさんは、家族や友人、心理学者、そして多くのSNSユーザーらに支えられて「ようやく自分を好きになることができた」と話している。苦難を乗り越えたアルバさんの「私たちは1人1人違います。そして誰も完璧な体など持っていません」という言葉は、きっと多くの人たちの励みになっていることだろう。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)