2月7日の朝、英ノッティンガムに暮らすドナ・バックレイさん(36歳)は、娘のルビー=メイ・ベルちゃん(9歳)が水系感染症を起こしていたために、GP(一般診療所)で処方された抗生剤をもらうためにメドーズにあるマナー薬局へ行った。
ところがそこで渡されたのは処方箋にある抗生剤ではなく、メタドンというヘロイン依存患者の治療に使う合成鎮痛薬だった。そうとは知らずにドナさんは家に帰り、ルビー=メイちゃんにスプーン2杯分を飲ませた。
その後、2階で横になったルビー=メイちゃんの様子を確認したドナさんは娘の目が虚ろでとても眠たがっていることに気付き、もう薬を飲ませるのは止めておこうと思った。するとちょうどその時、マナー薬局の薬剤師が訪ねて来た。
わざわざ訪ねて来た男性薬剤師を訝しく思うドナさんに、彼はルビー=メイちゃんに間違った薬を渡してしまったことを告げた。そして薬局で個人的に会えないかと聞いて来たという。
ドナさんとパートナーのラルフさん(38歳)は娘の体温がいつもより高いことも気になったために翌日、言われた通り薬局に出向き、そこで驚愕の事実を知ったのである。
「薬局から、娘に与えられたのはメタドンだと知ってヒステリーを起こしましたよ。娘を失うのではないかと怖くなりました」とドナさんは語る。薬局側のとんでもないミスを知ったドナさんとラルフさんは、すぐにルビー=メイちゃんを連れてノッティンガム大学NHS(国営医療サービス)内のクィーンズ・メディカルセンター緊急外来へ向かった。1日入院して検査が行われたが、幸いにも大事に至らずに済んだようだ。
「知らずにもっとメタドンを与えていたらどうなったかと思うだけでゾッとします」とラルフさんもその恐怖を明かすが、このような経験を味わったルビー=メイちゃんは「今はどんな薬も飲むのが怖い」と話している。
マナー薬局は後日、ドナさん一家に謝罪の手紙を送っている。「単発で起こったミス」としてはいるものの本来あってはならない薬局側の過失に現在、ノッティンガム警察とNHS Englandは詳細を調査中である。また、ドナさんとラルフさんは薬局に対して法的措置を取る意思を見せているという。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)