米ミシシッピ州ガルフポート在住のロジャー・ローガンさん(57)は先月31日、カリフォルニア州の病院で下腹部の腫瘍の摘出手術を受けた。腫瘍は良性であったが、重さは130ポンド(58.9キロ)にもなり成人1人分の体重とほぼ一緒だ。これまで診察を受けた医師からは「ただの脂肪」「太りすぎ」と言われ続け、15年をかけて徐々に巨大化した塊だった。
ロジャーさんは手術前の様子をこう振り返っている。
「どんどん大きくなる下腹部に身体が悲鳴を上げ、ここ3年はリクライニングチェアに座って一日を過ごしていました。部屋を出ることはなく、いつも首からセメント袋を3つぶら下げているような感じでしたよ。それもブルブル揺れるんですから始末が悪い。どうにもならないと半ば諦めていました。」
ロジャーさんの下腹部は次第に重さを増し、もうこれ以上は耐えられないと病院のドアを次から次へと叩いたものの、返ってくるのはいつも同じ言葉だった。
「手術をするには危険すぎる。50%の確率で死を覚悟して下さい。」
しかしここで諦めなかったのが妻のキティさんだった。キティさんはなんとか手術ができないものかとリサーチを重ね、3200キロも離れたカリフォルニア州のベーカーズフィールド・メモリアル病院に勤務するビパル・デヴ(Vipul Dev)医師を探し当てた。
以前にも同じようなケースを取り扱ったことがあるというデヴ医師はロジャーさんの術後、「ロジャーさんの腫瘍は、下腹部の皮膚内で発毛した小さな体毛が細菌に感染して腫れあがり、徐々に大きくなってしまったのです。合併症もなく術後は非常に順調です」とコメントしている。実際、ロジャーさんは術後2日にして歩くことができるまでに回復したという。
ロジャーさんは「ミシシッピの自宅に戻ってはやく普通の生活ができるようになりたいね。もう椅子にじっと座っているのは懲り懲りですよ」と語っている。その表情は実に明るい。
ロジャーさんのような腫瘍がお腹にできることは決して珍しいことではない。インドではお腹に9キロもの腫瘍を抱えた2歳の女児の姿がSNSに投稿され、その治療にたくさんの寄付金が寄せられている。彼女にもロジャーさんのような満面の笑みが戻ることを祈りたい。
出典:http://ktla.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)