不動産情報サイト「ノムコム」にて2013年から毎年開催されている「おうち川柳コンテスト」。4回目となる今回は募集期間の昨年9月20日~10月23日に5,646句もの応募があった。川柳のテーマは「おうち」「家族」「近居(親子が普段から家を行き来できる生活圏に住むライフスタイル)」である。
今回、グランプリを獲得したのは「オレオレに 会って話せと 言える距離」(やっとかめさん)だった。同句は「近居賞」も受賞しているが、親子が近くに住んでいるため「オレオレ」と子どもを装ってかかってきた詐欺電話に「(電話でなく)会って話せ」と返答したというもの。これは警察が被害に遭わないよう一般市民に注意を呼びかけている“振り込め詐欺”と絡めたもので、川柳らしく世相を反映している一句だ。
そして準グランプリは次の3作品。
「タッパーを 返しに行って また貰う」(くりごはんさん)※近居賞も同時受賞
「マイホーム 持ったが持てない マイルーム」(丸山さん)
「子だくさん 賑わう声が セキュリティー」(しこたまさん)
近居賞も受賞した句では、近くに住んでいる親子が日頃から仲良く良い関係を築いている様子がうかがえる。そしてマイルームを持てない一家の主の悲哀を表現したものと、準グランプリでも防犯に関するものが選出された。
さらに入賞作品30句も発表された。こちらでは「子が卒論 俺もしたいよ 卒ローン」(かべどんさん)、「“返済”と “俺の寿命”の デスマッチ」(ワル酔いさん)など住宅ローンに関するもの、「あと10年 売らぬ覚悟で LED」(ユコーさん)、「リビングを 「ルンバのため」と お片付け」(LoRo_67さん)と電化製品に関するもの、そして家族の仲の良さに心が温まる「子の笑顔 近所の親に おすそわけ」(かめさん)、「玄関に 近居の祖母の 土野菜」(いえどころさん)、「子がはしゃぐ おうちは僕の 充電器」(おさぼうさん)などが選ばれている。
川柳からは、現在の一般の人々の暮らしぶりがうかがえる。ほかの入賞作品や過去の選出作品はコンテストサイト(http://www.nomu.com/senryu/)で閲覧できる。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)