交通事故により右耳を失ってしまった中国・陝西省西安市のJiさん(それ以上の情報は明らかにされず)。ちぎれた耳介を保存しようと医師団も努力したがそれは叶わず、顔面の治療はなんとか終えたもののJiさんはすっかり自信を失ってしまった。せめて外見だけでもどうにかならないかと悩んでいた彼の前に、ついにその再建手術のチャンスが訪れたという。
それを行える数少ない形成外科の名医である西安交通大学第一付属病院のGuo Shuzhong博士。乳房再建手術で認知度があがってきた皮膚や軟部組織の欠損を修復させる「ティッシュー・エキスパンダー法」により、少しずつ皮膚組織を進展させることがJiさんの場合も有効であるとのこと。シリコン製風船バッグを皮膚の下に埋入し、皮膚の負担や痛みに配慮しながら生理食塩水を少しずつ注入して皮膚を伸展させ、続いてJiさんの肋骨から部分的に削り取った軟骨を使用して形を作っていく。熟成させた耳は最終的に頭部へ移植されると説明された。
この3ステップのうち、最も難関とされる2ステップがこのほど無事完了したといい、「順調にいけば約4か月で頭部への移植手術が行われる」とGuo医師も嬉しそうに話す。Jiさんは右腕に新たな耳が生えている自身の奇妙な姿に苦笑するも、「ここまでそっくりに再現してくれるとは驚くばかりです」とひたすら感動しているようだ。
今からほぼ3年前、中国では同様のニュースが2件大きく報じられた。福建省の「福建省医科大学連合病院」で、若い男性患者が新たに再建された鼻を額につけた姿で担当医とともにメディアの前に登場。湖南省長沙市ではやはり若い男性患者が足首から手が生えるという驚くような姿で取材に応じた。仕事中に右手首切断の事故が発生し、腕側の患部の治癒に1か月間を要することから、手首の良い状態を保つためにも左足首と接合させておこうという判断によるものであった。
出典:http://english.cri.cn
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)