ムスリム(イスラム教徒)に対する通りがかりの嫌がらせ行為、暴行事件が散発している米ニューヨーク。「出ていけ」と怒鳴りながら頭のヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭と体を覆う布)をはぎとる、衣服に火をつける、そんなムスリムの女性をターゲットとした暴行事件がここ数日の間に連続して発生したもようだ。
『nypost.com』が伝えているところによれば、火をつけられる被害にあったのはスコットランド出身でイスラム教徒のネマリク・アルヒナイさんという35歳の女性。10日午後9時ごろ、マンハッタン五番街にある「ヴァレンティノ」のフラッグシップ・ストア前を歩いていたところで、いきなりに服に火をつけられたという。
「左の腕に熱っぽさを感じ、見てみたらブラウスが燃えていました」と語るネマリクさん。すぐ横にライターを手に立っている若い男を発見したが、火を消し止めることに気を取られて行方を見失ってしまったという。NY市警は監視カメラが捉えた映像を公開。東54丁目の通りを逃げていった男の行方を追う一方で、情報提供の協力を市民に呼び掛けている。
8日にはブルックリン区南西部のバス・ビーチという町で、生後11か月と1歳3か月の赤ちゃんを乗せたベビーカーを押していた20代のムスリム女性2名が、通りがかりの女から暴行を受けている。「ここはアメリカ。あんたたちが暮らす場所じゃないのよ。よそへ行って!」などと繰り返し怒鳴りながらベビーカーを押し倒そうとした上、彼女たちの頭からヒジャブをはぎとろうとした。逮捕された犯人はエミルジェタ・ゼリリ(Emirjeta Xhelili=32)。移民であることを思わせるが、それを隠すためか最初は“メアリー・マガデリーン”と名乗っていたという。
出典:http://nypost.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)