多くの人がいつでもどこでもセルフィーを撮る時代。美しい自然や風景を自分の目で味わうことをせず、“自撮り”に懸命になる観光客の姿はあらゆる場所で見かける。そんな観光客にうんざりしているのは、どうやら動物も同じようだ。このほど、そんな「うんざり感」を見事に表した最高のセルフィーショットが、台湾人観光客によって撮影された。
日本で外国人観光客に人気の観光地は数多いが、なかでも奈良県の奈良公園は国の天然記念物に指定されている鹿がいることで有名だ。
日々多くの観光客がこの奈良公園を訪れる。鹿も慣れたもので、食べ物を持っていると人を恐れることなくグングン近付いてくるので、時に人間の側が恐怖を感じてしまうほどだ。
そんな鹿とせっかくだからセルフィーを、と思う観光客もあとを絶たない。このほど、台湾人のホン・キキ(Hong Qiqi)さんが鹿と撮ったセルフィーをFacebookの台湾コミュニティーアカウント「Baoliao Commune」に投稿し、これが英紙『Metro』で取り上げられ拡散、大きな注目を集めている。
可愛らしく笑顔でポーズをきめているキキさんのすぐ後ろで、鹿が横目でうんざりした表情を浮かべている。キキさんと思われる女性が「私、セルフィーを撮るのが下手なのかな」とのコメントとともに投稿したこの写真には、ネットユーザーから「いや、それよりもセルフィーにハマる人たちにうんざりした鹿の本音が表れているんだと思う」といった声や「餌を先にもらえなかったから、ふてくされてるんじゃないの」といった声が寄せられている。
奈良公園の鹿は観光客に慣れてしまっているため、彼らを「餌をくれる人」と認識している。「セルフィーに協力してほしいなら先に渡すものを渡してからでないとイヤ」という鹿の思いが、たまたまこの写真に反映されてしまったのだろうか。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)