このほど全米自動車競争協会は、モータースポーツのレース中に起きた事故に関し、“クラッシュしても車外に出るな”という厳しい規則を発表した。きっかけは9日にニューヨーク州で起きたダートレース中の死亡事故である。
ノースカロライナ州に本拠地を置くアメリカ最大のモータースポーツ統括団体「全米自動車競争協会(NASCAR=National Association for Stock Car Auto Racing)」が事故発生時の新ルールを策定し、ただちに施行となる旨を発表した。早い話が「クラッシュした車やバイクから離れてコースをうろつくな」というもので、後続の車にはねられる二次的な事故の発生を防ぐことが目的。以前からこうしたルールはあったもののあまり守られておらず、厳格化を兼ね“新ルール”として周知徹底を図っているという。
そのきっかけとなったのは、9日にニューヨーク州カナンデーグアで開催されたNASCARスプリントカー・ダートレースでの死亡事故。ケビン·ウォード·ジュニアとトニー・スチュワートの車が接触し、ウォード·ジュニアの車はスピンしながら壁に衝突して制止。進路妨害だと激怒のウォード·ジュニアは車を離れてスチュワートのもとを目指し(画像はcbsnews.comのスクリーンショット)、逆にはねられて死亡した。NASCARはこれを受け、すべてのレースにおいて、安全確認の担当スタッフが状況を判断するまでドライバーは事故車両から離れてはならないというルールを策定。ただし煙や発火を察知した際は例外だとした。
3度チャンピオンに輝いているスチュワートだが、その後に行われたスプリントカップ第22戦ワトキンスグレンの決勝レースを欠場。車の速度を緩めずにワードをはねたとの見方が有力となっていることから、刑事告発の可能性がある。スチュワートは2012年8月にテネシー州で行われたNASCARのレース中、マット・ケンゼスとの同時クラッシュで、ケンゼスの車目がけてヘルメットを投げつけたことがある。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)