有酸素運動をしている方で、「やればやるほど良いと思い、つい無理をすることも」という方は、どうかもっとリラックスしていただきたい。米国で発表された最新調査結果によれば、楽しめる範囲、疲れない範囲でもう十分な効果があるそうだ。
今年4月にこちらでお伝えしていたが、やはり有酸素運動は健康長寿に大きく寄与しているとのこと。継続的にジョギングをすることには特に意義があるという調査結果が、米ペンシルベニア州の「循環器系調査研究所(Cardiovascular Research Institute)」により発表されていた。「疲れ果てて心臓が破れそうだと感じるのはやり過ぎ。1週間あたり計2~3時間のジョギングが長生きの秘訣」という内容であったが、そのハードルがグンと下げられた。このたび発表された最新調査結果によれば、なんとジョギングは1日5分でも十分。疲れたり飽きたりするより、ほんの少しを継続することの方が大切だそうだ。
新しい調査研究を循環器系の専門誌『Journal of the American College of Cardiology』に発表したのは、バージニア州「Virginia Heart」の心臓病専門医ら研究チーム。18歳~100歳の55,000人の健康状況を15年にわたり観察した結果、年齢、性別、健康状態に関係なく、1日あたり5分、1週間あたり長くとも1時間以内にとどめてジョギングを楽しんでいる人々は、何の有酸素運動もしていない人々より約3年長生きしており、何より心血管疾患による突然死から縁遠いことが分かったという。 これは同誌に先に発表された、“1週間あたり距離にして32km以上のジョギングは健康長寿に逆効果”という内容に一致するそうだ。
気になるのは肥満、喫煙、糖尿病などのマイナス要因を持った人々である。しかしこれらのリスクグループも、日々少しのジョギングを継続的に行った場合、行わなかった同グループの人々よりも心臓発作を起こす可能性が低かったという。もっともこれには慎重論も出ており、さらなる調査とデータが必要であるようだ。大切なのは、体に負担をかけないために「歩き始めはゆっくりと、徐々に速足になり、その後ジョギングへ」という心がけ。また何事もそうであるように、有酸素運動も“継続は力なり”。せめて6年、細く長く続けて欲しいとまとめられた。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)