ギニア南部ゲケドゥで今年2月に患者が出現し、ほどなくして隣国リベリアやシエラレオネに飛び火し、西アフリカの脅威と化した「エボラ出血熱」のこのたびのアウトブレイク。リベリアでは米国人医療チームに次々と感染が確認され、緊張がいっそう高まっている。
ギニア南部を発端として次々と感染者、死者を増やし、じわじわと流行地域を広げているこのたびの「エボラ出血熱」のアウトブレイク。迅速に現地に出向いて医療行為にあたってきた「国境なき医師団」だが、そのコーディネーターが“空前の大流行が懸念される”と発表して4か月近くになる。当時の西アフリカの状況は感染者約130人、死者は少なくとも84人というものであったが、現在は死者が670人を超し、医療チームにおいても感染者が確認されるようになっている。
エボラウイルスの5つの系統のうち、現在流行しているのは致死率90%という非常に厄介な“ザイール型”ということもあり、ギニアの隣国セネガルは早くから国境の閉鎖を決断。その後、感染各地の医療チームはスタッフの数を増強して対応していたが、リベリアでは米国人の医師ら2名が立て続けに感染したと27日に発表された。
感染した2人は、リベリアの首都モンロビアの「Case Management Center」にて医療行為にあたっていた医師のケント・ブラントリー氏(33)と、除染活動にあたっていたナンシー・ライトボルさんという女性。ともに世界各地に支部を持つ有名な人道支援活動団体、「Samaritan’s Purse(サマリタンズ・パース)」の米国本部から派遣されていた。エボラ出血熱に感染した場合の潜伏期間は、通常は7日間前後で長くとも21日間。厳重な防護服や消毒・除染体制にも感染してしまったことを受け、スタッフの間には疲労感に加え、強い警戒感や危機感が漂っているもようだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)