アメリカでは死刑執行の方法について、いまだにベストな方法が見つかっていないことを少し前にお伝えしていた。投与された複数の薬物の量やバランスが合わないと、絶命には時間がかかるのである。このたびはアリゾナ州で…。
残虐極まりない殺人など凶悪な事件を起こして死刑が確定した受刑者に対し、絞首刑、電気椅子の歴史を経て現在は薬物投与に頼るようになっているアメリカの死刑執行。被害者の家族ばかりか死刑囚本人の家族が見守る中で行われることも多い。このほどアリゾナ州では、ガールフレンドとその父親を殺したジョゼフ・ウッドという55歳の男の死刑が行われたが、薬物投与の加減に失敗したとみえほぼ2時間にわたりウッドは激しく喘ぎ苦しみ、壮絶な最期を遂げたため、見守る人々が揃って気分が悪くなったことが伝えられている。
体重や人種も考慮し、どのような薬物をどのバランスで揃え、いつ投与することがベストなのか。それがいまだに確立していないという現状で“1度でスパッと行かなかった”という例があまりにも多いことが問題視されている中、4月にはオクラホマ州で38歳の男の死刑執行の失敗が大きく報じられた。薬物を投与して20分後に七転八倒を繰り広げ、最期は心臓発作で死亡したが、見守っていた家族を「あそこまで苦しめるのは問題だ」と激怒させていた。
その時に使用された鎮静剤ミダゾラムと鎮痛剤ヒドロモルフォンがこのたびのウッドの死刑執行でも投与され、またしても見守る人々を「あまりの恐怖でトラウマに」と震撼させたのである。これでは完全なる失敗。人権擁護団体が再び死刑の廃止を求める訴えを活発化させているが、賛成派からも「銃殺刑かギロチンを採用するべきだ」との声が出ているもようだ。
※ 画像はtelegraph.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)