ロシアと並ぶUFO大国と言われるアメリカ。人々はこんな保険の登場を待っていたのであろうか。フロリダ州のある保険代理店が“宇宙人に連れ去られたら”としてUFO誘拐保険を真剣に販売し、話題となっている。
「未確認飛行物体(UFO)が飛来して人を連れ去る事件が世界のあちこちで起きています」として、『UFO Abduction Insurance(UFO誘拐保険)』なる商品を積極的に販売しているのは、米フロリダ州アルタモンテ・スプリングスにある「St. Lawrence Agency」という保険代理店。マイケル・セント・ローレンスさんという男性が1988年にひとりで始めたビジネスで、この商品の販売実績もさることながら、支払い実績も2件あるというから驚く。
保険の内容も気になるところだ。万が一の際に支払われる保険金は最高10ミリオン・ドル(約10億円)と高額(画像はconsumerinsuranceguide.comのスクリーンショット)で、宇宙人に食べられた場合はその倍額が支払われるという。掛け金は年間19.95ドルの終身払いタイプで、払い込みは本人が生存している限り続き、契約は最長で100万年(!?)までとなっている。
さすがはアメリカ。「こんな保険を誰が真剣に検討するのだろう」などと笑って傍観している人ばかりではないようだ。販売実績はすでに20,000件を突破したが、契約者の中には映画『愛と追憶の日々』の主演女優シャーリー・マクレーン(80)さんや、エイリアン研究を専門としているハーバード大学の有名教授も。こちらは職業柄、誘拐の危険にさらされているということであろうか。
ただし“万が一誘拐された場合は、それがUFOで飛来した宇宙人によるものであることを証明できるように。当方でその確認ができた場合、あなたが死亡するまで年間1ドルを最長1,000万年にわたり支払います”との説明がある。保険の詳細はしっかりと約款に目を通すに尽きるようだ。UFOが目の前に現れて宇宙人に誘拐されるというハプニングに遭遇する確率は、人の一生においては雷に撃たれる確率よりよほど低いはずだが、マイケルさんは「もはや他人事ではありません」と熱心に営業を続けている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)