南アフリカの一部で伝統的に行われている割礼の儀式。特に民族の慣習が根強く残っている地域では、儀式により成人男性として認めてもらえるため通過儀礼にあたる。しかしそれに伴う被害も年々増加しており、問題になっている。
割礼が非常に不衛生な場所で行われていたり切除後の消毒などをしないために、未来ある若者が敗血症や壊疽などで命を落とすことがある。7月4日に伝統文化省が発表したところによると、今年の4月以降にずさんな割礼によって死亡した若者が26名にも上った。脱水症状、敗血症、割礼箇所の壊疽などで病院に運び込まれた男子は104名であった。
さらに割礼をしていないというだけで、被害に遭うこともある。6月23日、リンポポ州に住む農場経営の男性(57)が豚を盗まれたと警察に被害届を出した。男性の証言によると、窃盗犯は村の伝統割礼キャンプで働いている教師らだという。教師らは棒や鉈などを持って男性の敷地に入ってくると、腰に巻いていたものを脱ぎ「割礼をしていないお前は役立たずだ」などと叫びながら20頭の豚を奪っていった。「割礼を受けていないだけで、毎年侮辱されるのはあんまりだ」と男性は憤る。
男性が被害を警察に届けたところ、警察幹部は「割礼をしていないという理由でこのような扱いを受けているのは、この国の伝統的法律によるものだ」と述べたとのことだ。リンポポ州警察は、事実を確認できていないと答えている。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)